3月になりました。
寒い日とあたたかい日が交互にやってきて、やがて春になっていく節目の季節ですね。
3月は年度末にあたることも多く、行事などで忙しくなる人も多いのではないでしょうか。
そんななかでもほとんどの人が経験したことがあるだろう行事「卒業式」が今日のテーマです。
「卒業式」とは、学校における教育課程をすべて終了したことを認め、門出を祝う式典のこと。日本で最も古い記録の卒業式は、1876年(明治9年)に陸軍戸山学校で行われた「生徒卒業式」だといわれています。当時は、ラッパや太鼓による西洋式の音楽が響き渡っていたそうです。その後、東京大学や東京女子師範学校(現 お茶の水女子大学)、公立小学校で行われるようになり、卒業式の演出内容も時代とともに変化してきたといいます。
卒業式の呼び名についても厳密にいうと細かく分かれています。
小学校・中学校・高等学校等では式典で「卒業証書」を授与することから、卒業式は「卒業証書授与式」と呼ばれます。いっぽうで大学や大学院においては「学位記」を授与するので、卒業式とは呼ばず「学位記授与式」「大学院修了式」などと呼ばれ、幼稚園等では「卒園証書」が授与されるので、「卒園式」と呼ばれています。
さて、卒業式の特徴といえば学校によって特色が出るプログラム。
一般的な流れとしては、入場からはじまって、開式の言葉や先生の挨拶、卒業証書の授与、式歌や校歌を歌い、閉式の言葉をもって退場する...。
式典中に先生や友だちとの思い出がじわじわと湧き出てきて、さみしくなったり、あたたかい気持ちになったり。「わかれ」を経験するのもまた、卒業式なのかもしれません。
私はもういい大人なので、卒業式を経験する機会はなくなりましたが、歳を重ねるごとに思うのは、人と人との出会いは常に「一期一会」であるということ。
たとえば仲間たちと一緒に仕事をするとき、次もまた同じメンバーでできるとは限りません。友人との飲み会などのイベントも、同じメンバーで続くとは限りませんし、実際にあとから考えたら一度きりだった...という経験をこれまでたくさんしてきました。
だからこそ、後悔しないようにいまこの瞬間を大切に過ごそうと決めています。
さみしい気持ちが控えるからこそ、たのしみやよろこびが膨らみ、尊いものになっていく。
そう考えると、卒業式を通して経験する「わかれ」とはさみしいものではないのかもしれません。わかれの前には出会いがあり、ともに過ごした時間があり、やがて思い出になって自身の気づきに変わっていく。卒業式は、前に歩みを進めるための「一区切り」といえるかもしれませんね。
今年も全国各地で卒業式が行われ、たくさんの人が巣立っていくことだろうと思います。
これからの人生に彩りを添えるような1日となりますように。
参考文献:
有本 真紀『卒業式の歴史学』 講談社(2013年) ほか
高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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