こんにちは。星空案内人の木原です。
子どもたちは長かった夏休みが終わりに近づき、夏休みの宿題に追われている子もいるかもせれませんね。小学校高学年になると星の動きを勉強します。もしかしたら夏休みの宿題で星の観察があったお子さんもいるのではないでしょうか。
この時期に星の観察をするとなれば、ほとんどと言っていいほどその対象に夏の大三角が登場します。大人になった私たちにとっては、小学校の宿題のことなど遥か彼方の記憶ですが、夏の大三角自体は覚えている人は多いと思います。七夕や天の川の話とも関連付けて学べる夏の大三角は、星空への興味の入り口としてはちょうど良いのかもしれません。
夏の大三角は、はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルを結んでつくる大きな三角です。正三角形より二等辺三角形に近い形をしています。明るい一等星で形づくられるので街中でも確認しやすい星の並びです。ちょうど今の時期は夜20時頃に南の宙高くに輝いて見えます。宙の高い位置にあるので、ビルや山があって宙の低いところに障害物がある場所でも見つけやすいことが観察しやすいポイントになっています。
七夕伝説ではこと座のベガが織姫星、わし座のアルタイルが彦星と言われています。織姫と彦星の呼び方の方が馴染みのある人は多いかもしれません。天の川を挟んで両側に織姫と彦星がいるという物語は誰もが知る有名なお話です。夏の大三角を実際に見てみても、ベガとアルタイルの間に天の川が流れています。
天の川はとても淡い光のため、星空が綺麗に見える暗い場所で観賞することがおすすめです。写真で見る天の川は色がついているように見えるかもしれませんが、実際に肉眼で見る天の川は、白いぼんやりとした筋が夏の大三角の中を通っているという印象です。初めて天の川を認識することができたら、その感動は一生忘れられないでしょう。
天の川に沿うようにはくちょう座が大きく羽ばたいています。デネブははくちょう座の尻尾にあたる部分の星。星座線では十字を描くように表現され、南半球で見える南十字に対して、北半球にあるので北十字と呼ばれることもあります。天にかかる川に沿って大きな翼を広げるはくちょうの姿はとても綺麗です。
夏を代表する星のならびである夏の大三角。その三角から夏の宙を辿っていけば、星空の世界がぐんと広がります。今夜は宙の高いところで輝く夏の大三角を見つけてみませんか。
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