こんにちは。星空案内人の木原です。
今日は宇宙の日。1992年9月12日に、毛利衛宇宙飛行士が宇宙へ飛び立った日であることを記念して制定されました。
1992年は、宇宙分野の国際協力を推進しよう、という目的で国連が定めた国際宇宙年でもあります。世界が協力して宇宙を利活用し、地球環境について考える活動が行われました。日本も参画し、その記念として設けられたのが宇宙の日です。1992年以降、宇宙の日には科学館や宇宙関連施設などで記念行事が開催されています。
宇宙の利活用と聞くと、何をイメージしますか?「宇宙開発=ロケット」のイメージが強いかもしれませんが、ロケット製造事業は宇宙産業でみると数%ほど。ロケットは、宇宙に物や人を運ぶインフラ部門にあたります。宇宙産業のメインは、運ばれた物たちによるもの。中でも、私たちの暮らしをより便利にする通信衛星や宇宙から地球環境について調べる観測衛星など、人工衛星を使った分野は発展し続けています。
宇宙事業を進めている組織もNASAやJAXAなどの公的な機関のイメージがありますが、民間企業の参入も増えてきていて、アメリカやロシア、ヨーロッパなどのよく耳にする国だけではなく、アジア諸国やアラブ首長国連邦など世界各国で宇宙事業は進んでいます。その国ごとに宇宙開発に関する物語があって、映画の題材にもなっていたりするので、興味があれば映画から各国の宇宙事情を知ってみるのも面白いですよ。
スマホをお持ちの人であれば、知らないうちに宇宙の利活用の恩恵を受けています。例えばGPS通信。地上の電波塔からの情報では、山や建物で遮られてしまい精度が落ちますが、宇宙からであれば遮るものはありません。精度よく自分の居場所を示してくれるので、地図アプリを開けば今いる場所が分かるし、そこから目的地までの経路も示してくれます。ネットに繋がらなければ不便に感じてしまう現代社会。安定した通信も宇宙を利活用することによってもたらされています。
他にも、農業や漁業でも宇宙の利活用は進んでいます。例えば、宇宙から作物の生育状況を確認したり、海のどの辺に魚がいるのかを調べたりすることもできます。担い手不足と言われている一次産業分野で宇宙を利活用することで、より効率的に仕事ができるのではないかと新しい産業のカタチとして期待されています。
気付かないうちに身近になってきている宇宙。今日は当たり前の便利さに感謝する日でもあるのかもしれませんね。
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