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望遠鏡

月と星 2024.10.02

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こんにちは。星空案内人の木原です。
10月2日は望遠鏡の日です。1608年のこの日に、オランダの眼鏡技師リッペルハイが望遠鏡を発明し、特許を申請したことに由来しています。その特許申請は結局受理されなかったのですが、その後ガリレオガリレイが望遠鏡を自作して夜空にレンズを向け、様々な発見に結び付いたことから、天文学にとっては大きな意味を持つ日でもあります。

皆さんは、望遠鏡を覗いたことがありますか?望遠鏡と聞くと、天体望遠鏡が思い浮かぶかもしれませんが、野鳥観察で使うフィールドスコープや展望台などにある展望鏡、コンサートや観劇で使う双眼鏡も望遠鏡の仲間です。人間の肉眼の視力だけでは見ることができない世界をリアルに教えてくれる道具が望遠鏡です。

望遠鏡の基本的な構造はとても簡単。中学校の理科で習う光の屈折や反射を利用しています。今から400年以上も前に発明された道具ではありますが、私たちが一般的に使える天体望遠鏡の基本的な構造原理は変わっていません。一方で、天文学の発展のために様々な種類の望遠鏡が開発されています。

例えば、ハワイ島のマウナケアにあるすばる望遠鏡。遠い宇宙空間にある天体を見るために開発されました。遠くの天体を見るときに重要なのが、望遠鏡のレンズの大きさです。レンズが大きければ大きいほど遠くのわずかな光も捉えやすく、未知の天体の発見につながる可能性が高くなります。

すばる望遠鏡は直径8.2mの鏡を持ち、宇宙からやってきた光を反射させて観測装置に集め、どんな光がやってきたのかを調べることができます。1999年1月にファーストライトを捉えて以来、星や銀河、宇宙の謎を紐解く鍵を観測してきました。

地上から観測する望遠鏡がほとんどですが、どうしても地球の大気の影響を受けて綺麗な画像を得られないこともあります。そこで、地球を飛び出て宇宙で活躍する望遠鏡があります。中でも有名なのがハッブル宇宙望遠鏡。多くの宇宙の図鑑や写真集にハッブルが撮影した神秘的な画像が使われているので、知らないうちに目にしたことがある人も多いはず。2022年には後継機ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡がファーストライトを迎え、さらなる深宇宙の世界を見せてくれることが期待されています。

遠くにある景色を大きく見たい、というシンプルな発想から宇宙の謎を紐解く道具にまで進化した望遠鏡。発明した道具をどう使うかは、今も昔も私たち次第なのです。

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木原美智子

星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。

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