こんにちは。星空案内人の木原美智子です。
ふと、青空を見上げて「広いなぁ」、海を眺めて「大きいなぁ」と思ったことはありませんか。広大な自然の中に身を置くと、その大きさや美しさを無意識に言葉にしてしまうことがあります。では、星空はどうでしょう。「星がきれいだな」「夜空って暗いなぁ」といろんなフレーズが生まれてくるはず。その中にきっとあるのが「宇宙ってどれくらい大きいのだろう」。今回は、“宇宙の果て”をテーマにお話します。
地球上にいる限り、果てしないと感じるものでもいつかは果てに辿り着きます。大海原を航行していればいつかは対岸に、高い山を登り続ければ頂上に。空も、地球を包む大気のことだと捉えると、宇宙空間と大気(大気圏)の境目を空の果てと言えるかもしれません。では、その空の向こう側に広がる宇宙空間はどうでしょう。
地球から夜空に輝く星々までは距離がある、というのはイメージできます。理論上は宇宙渡航をすれば星に到達できるはず。では、星もない、地球からはただ真っ黒に見える領域にも辿り着けるのでしょうか。真っ暗闇の部屋の中を手探りで進み、部屋の壁に手が触れるように、宇宙の壁のようなものに触れることはできるのでしょうか。実は、宇宙に触れられる果て(壁)があるのかは分かっていません。
私たちが観測できる範囲には限界があります。宇宙の大きさを知るためには、様々な天体からの光を捉えて、それらがどのくらい遠い場所にあるかを調べます。私たちが観測できる最も遠い天体がある場所が、私たちが知ることができる範囲での宇宙の果て。その向こう側にも宇宙が続くのか、そこで終わりなのかは、調べることができないため分かりません。しかし、これまでの観測と研究から、現在私たちが観測できている領域よりも宇宙は広いだろう、と考えられています。
宇宙の果てを調べることは、私たちがこの世界のどんな場所に生きているのかを知ることでもあります。地球に多種多様な国土と人々の暮らしがあるように、宇宙にも様々な天体があって、それらには文明もあるかもしれません。地球という星が宇宙で稀有な存在なのか、それとも似たような仲間がたくさんいるのか。私たちが住む宇宙の全体図が分かれば、私たちがどういう存在なのかを知ることにつながります。一方で、確実に言えるのは私やあなたという存在はこの宇宙で唯一ということ。宇宙の果てまで探しても、今ここにしかいないのです。

