こんにちは。暦生活編集部です。
今日は二十四節気の「寒露(かんろ)」についてのお話です。
金木犀の香りがふわりと漂い、少しずつ秋の気配が色濃くなってきました。
先日、仕事終わりに家のまわりを散歩したのですが、もう風が冷たくて、あらためて時間の流れと、季節の移ろいを感じました。
カーディガンを羽織るのが、ちょうどいい季節になったんですね。
二十四節気は今日から「寒露(かんろ)」になりました。
言葉からも、ちょっと寒くなった季節を感じられますね。寒露は、草や葉に宿った露が冷たく感じられる頃。朝夕だけでなく、日中も涼しくなり、秋の深まりを感じさせてくれます。
この頃は空気も澄み、月や星が美しい季節でもあります。帰り道にふと見上げる夜空に、さえざえと明るむ月や星に息をのむことも。十五夜に十三夜など、名月を観賞する古くからのならわしもこの頃にあります。
田んぼでは、稲穂が日に日に色づき、いよいよ収穫の時を迎えます。黄金色に輝く稲穂を風がサーっと吹き抜けていく光景は、美しい秋の風物詩。稲刈りが終わり、束ねられた稲穂が天日干しされている様子もどこか懐かしく郷愁を誘う秋の光景です。電車に乗っている時や、住んでいる街で見かけると、つい目で追ってしまいます。
寒露の頃に訪れる七十二候はこちらの3つ。
- 鴻雁来(こうがんきたる)
- 菊花開(きくのはなひらく)
- 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
「鴻雁来」は、雁が北から日本へ渡ってくる頃。
「菊花開」は、菊の花が咲き始める頃。
「蟋蟀在戸」は、リーリーリーと鳴く虫が人家の近くで鳴く頃。
その時々の季節を短い言葉で表現した七十二候ですが、実際にこの光景を自分の目で見ることができなくても、言葉から「今って、こんな季節なんだ」と感じられるだけで季節を楽しめると思います。
この季節、個人的に楽しみにしているのは、夕方から日没にかけての空の変化。日が傾いてきたかな、と思うとあっという間に空が茜色に染まり、濃紺へと変わり日が沈んでいきます。秋の夕暮れをあらわす言葉に、「釣瓶落とし(つるべおとし)」があります。「釣瓶」は、井戸から水を汲み上げる滑車のついた桶のことで、井戸へ降りていくようすを日が沈むはやさにたとえています。
日中は爽やかに晴れ渡り、夕焼けはダイナミックに、夜は星や月が美しい。
秋の深まりは、見ようとすればいつでもそこにある空にさらなる魅力を与えてくれるようです。
※二十四節気(にじゅうしせっき)は、日本の1年を24等分し、立春からはじまり大寒で締めくくられる、約15日ごとに移ろう細やかな季節です。
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