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手づくり二十四節気 「小暑(しょうしょ)」

二十四節気と七十二候 2021.07.07

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「七夕飾りをつくって童心にかえる」

暦では、夏も後半の小暑になりました。
実際の気候では、いよいよ本格的な暑さに突入というところでしょうか。暑すぎるのは困りますが、やっぱり夏は暑くなくちゃ、とも思います。冷やした西瓜や桃を思い切り食べられるのは、暑い夏だからこそ。野菜やお米や果物も、夏の暑さでおいしく実るというものです。

暑中になったので、暑中見舞いを書く時季になりました。暑いなかのご挨拶は、これから大暑の終わりまでに出します。涼しげな朝顔の絵のカードを使おうと選びました。

さて、7月7日は七夕の星祭。一年に五度ある五節句のうちの一つです。笹竹に願い事を書いた短冊や、紙でつくったひさごや提灯を下げて七夕飾りにします。子供のころはつくったけれど、大人になったらトンと、という方が多いのではないでしょうか。

が、大人になってからつくってみると、また違う楽しみがあるのです。第一に、大人になっているので、紙でつくる提灯や天の川が、子供のころより上手にできてうれしい。多少自分でアレンジをして、好みの大きさや形にできるし、多少へっぽこでも誰に文句を言わせるものか。

大きな枝に飾るのは大変なので、庭の隅に生えている熊笹を抜いてきて、それに飾りをつけてみました。小ぶりでなかなかいい七夕飾りができました。これに添えてお菓子や瓜や素麺をお供えすれば、短冊の願い事も叶うでしょうか。裁縫の上達を願う日でもあるといいますから、お針の苦手な当方は、真剣にお願いしておかなければ。

七夕は、中国から伝わった古い年中行事「乞巧奠(きつこうでん)」が元になっています。一年に一度だけ会う牽牛と織女の伝説が、どこかロマンチックですね。牽牛は彦星、わし座のα星アルタイル、織女の織姫は琴座のα星ベガ。天の川を挟んで年に一度近づくことから生まれた物語、さすが昔の人もよく星を見ているものです。

七夕の日の水で水浴びをすると一年風邪をひかない、髪を洗うと汚れがよく落ちると言われたそうです。この日の水は特別な力を持っていたのでしょうか。多くの人が、七夕に硯や櫛などを洗ったのだとか。7月7日を、日頃よく使ってお世話になっているものを丁寧に洗う日、と決めるのもよさそうですね。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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