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花鳥でめぐる二十四節気/処暑しょしょ

二十四節気と七十二候 2025.08.23

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◎処暑 8月23~9月6日 「オミナエシとセキレイ」

暑さもおさまるころ、という意味の処暑です。この夏の暑さはたいへんなものでした。果たして処暑の節気の間におさまるでしょうか。心許ない気もしますが、さすがにこれまでの厳しい暑さは徐々にパワーダウンしていくことと思います。

朝夕の涼しい風が、少しは慰めになりましょう。田んぼの稲穂も頭を垂れて、収穫の時期が近いことを知らせています。ススキの穂やミズヒキの花もそこここに見られるように。

いっぽうこのころは台風の季節でもあります。今年、台風に警戒を促す雑節「二百十日」は8月31日。防災の備えを改めるいい機会です。我が家の非常持ち出しリュックも中身を点検しなくては。

さて、ハギやススキに並んで秋の七草のメンバーであるオミナエシ。スッとまっすぐ伸びた茎に、笠を広げた形に粟粒のような花を咲かせます。その涼しげな花の姿に、秋の訪れを感じる方も多いはず。オミナエシは、最も早く咲く秋花の一つです。山里の散策をしていると、草原で風に揺れるオミオナエシの花が見られます。

何ごとのかぶりふりふりおみなへし     一茶

オミナエシと同じように、セキレイもまた秋の季語。水辺によくいる鳥、セキレイは「秋告げ鳥」の別名があります。水辺からセキレイの声が聞こえてくると、秋を感じさせるということでしょうか。街中の公園でもよく見かけるスマートな鳥。わりと人懐こく、そばに人がいても平気で逃げずにいたり、道先案内のように人が行く先をトコトコ歩いたりします。

絵に描いたのはハクセキレイ。このほかに、セグロセキレイやキセキレイも比較的よく見かけます。秋浅い今、オミナエシの花とセキレイの姿を眺めて、しばし涼をいただくことにしましょう。もしも夕涼みに出かけるなら、提灯など持っていくのもいいですね。

イラスト提供:平野恵理子

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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