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花鳥でめぐる二十四節気/白露はくろ

二十四節気と七十二候 2025.09.07

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◎白露 9月7~22日 「ナデシコとコアジサシ」

朝、野の草に降りる露が白く光り、秋を感じさせるころ。それが白露です。秋の気配もだいぶ濃くなってくる節気ですが、現実にこの秋の趣を実感できますかどうか。残暑はまだ続きそうな気配です。

処暑に続いて今回も秋の七種、ナデシコが登場です。ただ、ナデシコは実は夏の季語。山上憶良さんには秘密ですが。とはいえ、ナデシコを秋の七種にエントリーさせた憶良の感覚はお見事です。たしかにナデシコは七種の花のなかでもスター的存在。淡紅色の花といい、柔らかな印象といい。ナデシコがあると無いでは大きな違いですから。

このナデシコは、正確にいうとカワラナデシコ。中国原産のナデシコ属のセキチク「唐撫子」に対して、日本のナデシコ、カワラナデシコを「大和撫子」ともいいます。もうひとつ、なんとなくナデシコに似ているなあと思っていたカーネーション。やはりこちらも、ヨーロッパでセキチクを元につくられた品種だそう。ナデシコ、広くて深いですね。

花はカワラナデシコ、では河原にいる鳥はというと、コアジサシはどうでしょう。キジバトよりもひとまわり大きく、スマートな姿の鳥です。色もモノトーン、おしゃれです。

夏鳥として日本にやってくるコアジサシ。川の中州や砂浜などに巣を作って繁殖します。集団をつくって住まうのが特徴で、鳥同士が多数集まって、外敵から身を守っているそうです。

河原つながりで思い出したのが、玄関やポーチの床の「洗い出し」。玉石をモルタルに埋めて洗い出すと、玉石が床に敷き詰めたように仕上がります。河原で拾い集めた石で作ってみたい。涼しくなって、こんな作業をするにもいい季節になるといいのですが。

イラスト提供:平野恵理子

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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