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二十四節気と暮らしの道具/秋分しゅうぶん

二十四節気と七十二候 2024.09.22

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秋分 9月22~10月7日 八月中〈陰陽の中分なればなり『暦便覧』〉

行李(こうり)にお弁当を詰めて

秋分、秋のお彼岸です。暦でいうと、秋の真ん中。秋彼岸のお中日「秋分の日」は、昼と夜の長さが同じ、季節の陰陽の分かれ目です。これからは、日に日に夜の時間が長くなっていきます。

すなわち秋分は、夏の気が衰えてきて本格的な秋を迎えるころ。とはいえこの夏は強気の意地っ張りで、暑さが長引いて大変でした。さすがにそろそろホッとしたい気分です。

秋めいて陽気がよくなると、ちょっとどこかへ出かけたくなってきます。暑いあいだはなるべく出かけないように気をつけていた分、余計そんな気分です。さて、それではお弁当を持って近くの野山に散策へ。

そんなときに簡単にお弁当を詰められるのが、小さな行李。なめらかなスズタケで網代に編まれた長方形の容れ物です。行李には柳行李もありますが、こちらは大きなものが多く、主に衣類などを入れるためのもの。コリヤナギの枝を麻糸で縫ったものです。竹行李にくらべてだいぶ厚みもありしっかりしています。柳行李のお弁当箱もありますが、絵に描いたお弁当箱は全て竹行李です。

この竹行李が好きで、いつの間にかいくつも集まりました。少し遠出をする時は、お弁当ではないけれど、いちばん小さな行李にお菓子やナッツ、飴などを詰めて、必ずに鞄に入れていきます。列車が運休をしたり、どこかで立ち往生してしまった時などを考えて、いってみれば「非常食」の意味も。これを持っていると思うだけで安心、という心の保険でしょうか。単純に、気に入りの行李が鞄に入っているうれしさもあります。

普通のお弁当箱のサイズには、簡単おにぎり弁当を。行李は言ってみれば籠なので、おにぎりも蒸れません。細長タイプには、小さなおにぎりや海苔巻きをギュギュッと並べて。

それでは、おいしいものを詰めた行李を携えて、秋草などを見に行くことにいたしましょう。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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