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花鳥でめぐる二十四節気/寒露かんろ

二十四節気と七十二候 2025.10.08

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◎寒露 10月8~22日  「ススキとマガモ」

さすがに秋らしい陽気となってきて、金木犀の花も甘く香っています。寒露、暦でいえば、秋も後半。野草に宿る露も冷たくなるころ、という節気です。深まる秋の空気に、夏の暑さに沸騰していた心も体も次第に静まってきました。

山の方では、気の早い草木はほんのり紅葉を始めています。ミズキやツタの色づいた葉が地面に落ちているのを見つけると、秋も深まりゆくなあという気分です。朝晩の空気は冷んやりして、コオロギの声もだんだん聞こえなくなるころ。

そして、順に冬鳥がやってきます。きっともう水面を移動するマガモの姿が見られることでしょう。オスの頭は輝きのあるグリーンで、深いブドウ色の胸との組み合わせが鮮やかでおしゃれです。特徴的な見た目なので、すぐにマガモとわかります。

マガモだけでなく、湖沼や川辺では冬鳥の水鳥がやって来て大賑わい。カモ類だけでも、嘴が特徴的なハシビロガモ、茶色とグリーンの頭のコガモ、尾が長く出るオナガガモ、茶色い丸顔が可愛いヒドリガモ、などなど様々な種が集まっていることでしょう。そのほか北の方ではハクチョウやマガンなどの大きな群れがやって来ます。

このころ、ススキの穂もよく目立って、秋の風情をいや増してくれています。まだ穂を出したばかりの艶のある瑞々しい様子のころから、花を咲かせるころ、そして最後にはフワフワにほうけた穂になるまで、とどの時点でも味わいたっぷりです。試しに一本引き抜いて持って帰り、花瓶に挿せば、部屋にも野の秋がやってくることでしょう。

少しずつ日が短くなっていくのが心細い気もしますが、今からが彩り鮮やかな秋の日々。この輝く季節を逃さずに見届けたいと思います。

イラスト提供:平野恵理子

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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