◎立夏 5月5~20日
餅粽(もちちまき) 水仙粽(すいせんちまき) 肉粽(にくちまき) 柏餅 若鮎 花山椒
端午菓子
夏の始まり、立夏です。新緑がまぶしい初夏は、何もかもが輝いて見えます。いよいよ寒さや遅霜ともお別れできるころ。これからは夏めく日差しに心浮き立たせ、快適な陽気を存分に味わえることでしょう。
立夏は5月5日、ちょうど端午の節句でもあります。国民の祝日、こどもの日もこの日です。連休もあって、世の中はソワソワと忙しく落ち着かない時。それでもせっかくのお節句はお祝いしたいもの。それなら端午の節句のお菓子を味わうだけでもいいではないですか。
端午の節句といえば、柏餅と粽。柏餅は、粒餡、こし餡に味噌餡の3種類。包むお餅も、こし餡は白いお餅、草餅に包まれているのが粒餡、味噌餡は薄紅色のお餅で、一つだけ選ぶなんてできません。粽もまた餅だけでなく、葛の水仙粽や羊羹粽、また中華料理の肉ちまきなどがあって考えただけでワクワクします。このお節句にはどのお菓子を選んでいただきましょうか。
さて、お節句の季節を考えるときは、やはり旧暦を当てた方がしっくりきます。旧暦は、その年によって多少変わりますが、だいたいひと月遅れです。今年の旧端午は6月19日。お分かりのように梅雨のただなかです。菖蒲の花も咲き、また、柏の葉もすっかり大きく育って柏餅を包むのにも無理がありません。そして梅雨のこの時期は病気も多く、薬草を摘んで用心するのも、菖蒲湯に入って邪気を祓うのも理にかなっています。
そんな端午の節句を祝ってお餅を食べ、これから始まる夏の季節に思いを馳せるとしましょうか。
文・イラスト 平野恵理子

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
