◎秋分 9月23日~10月7日
粒餡 こし餡 白餡 きなこ 黒胡麻 青海苔 氷餅
おはぎ
秋分は秋彼岸の中日。「のちの彼岸」とも呼ばれる秋のお彼岸は、秋分を中心とした前後の七日間です。暑さ寒さも彼岸まで、この日を境に秋らしさもさらに色濃くなっていくことでしょう。
秋分と春分は、ともに昼と夜の時間が等しい日。そしてどちらも太陽は真東から昇り、真西に沈みます。このことからもわかるように、太陽と深く結びついた暦上の重要な節目です。今は彼岸と書きますが、元は「日願」と書いたとも。お彼岸は日本独自の行事といわれています。
今も一部の地域では「日迎え日送り」という風習が残っているそうです。これは、彼岸の中日に無病息災を祈ってする行事。午前中は東に向かって歩き、寺社があればお参りする。午後は西の方角へ歩いていく。そして、お昼ご飯は必ずお日様の下、野天でいただくと。
お彼岸といえば墓参や法要など、先祖供養が主な行事といえますが、必ずしもお彼岸にお墓参りへ行く人ばかりではないでしょう。でも、おはぎは食べたい。そんなときにはこの「日迎え日送り」をして、お昼にピクニックでおはぎを食すのがいいのでは。
この風習は太陽信仰が元となっているといわれます。信仰と言わずとも、お日様は誰もが大切に思う偉大なる天体。暦の大きな節目であるこの日に、より太陽を意識して、お日様に向かって午前・午後と歩いてみるのもよさそうです。おはぎだって、さらにおいしくいただけるはず。
おはぎをつくったら折り箱に入れて、水筒も持って、さあ出発しましょう。秋分を過ぎると夜が長くなっていきます。日が短くなる前に、お日様に感謝を込めて、ぜひ。
文・イラスト 平野恵理子

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
