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オオスカシバ

旬のもの 2021.09.29

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こんにちは、昆虫写真家の村松です。

今回はオオスカシバという昆虫を紹介します。
意外に知らない身近な昆虫のことをちょっとでも知ってもらえれば嬉しいです。

花のミツを吸うオオスカシバ

畑や公園の花壇、ちょっとした街なかの花にもやってくることがあります。
飛ぶ能力はかなり高く、ホバリングといって空中で停止することもできるんです。
しかも速い!!まるでハチドリのように飛び回りながらミツを吸っています。

びゅん!!と移動するので、ファインダーをのぞいて写真を撮っていても、気がついたらどこに行ったかわからなくなることもしばしばです。

能力もすごいですが、見た目の可愛さでも一目置かれます。

自宅で羽化したオオスカシバ

オオスカシバはガの仲間ですが、明るい体色と模様が特徴的です。そして、全体がふわっとしている感じが可愛くて人気もあります。

ガの仲間は羽が鱗粉(りんぷん)に覆われているものがほとんどです。
しかし、オオスカシバの羽は透明なので不思議な印象を与えます。ガの仲間だと気づかない人もいるくらいです。

オオスカシバは透明な羽を持っています

しかし、幼虫の時は他のイモムシと同じような体つきをしています。
緑色をしていますし、大きなイモムシという感じです。
クチナシの葉っぱを食べるので、庭にクチナシが植えてあれば、探せばきっと見つかります。

オオスカシバの幼虫

大きく成長すると、かなりの大食感でクチナシの葉っぱが減っていくのでびっくりします。そうやって大きくなると、地面に降りて土の中でサナギになります。

羽化した成虫を見たら、またびっくりします。
他のガやチョウの仲間のように羽には鱗粉がついています。
あれっ、透明な羽じゃなかったっけ?と混乱するかもしれません。

羽化した時の鱗粉

これは羽化した時の短い時間だけ見られるものです。
飛び立てるようになって羽ばたくと、その時に鱗粉はとれていってしまうんですね。

たくさんの魅力に溢れる個性的なオオスカシバを紹介しました。
意外に身近で見られる昆虫なので、素早く動く不思議な生き物を見つけたら、それはオオスカシバかもしれません。
苦手な人もいるかも知れませんが、この可愛さにちょっとでも気づいてもらえたら嬉しいです。

ホバリングも出来ますが、花のミツを吸う時は前足をかけてバランスをとっていることもあります

写真:村松佳優

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村松佳優

昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。

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