猛暑が続きますね。この時期になると、「えっ、こんなに暑かったっけ?」と毎年言っては驚いているような気がします。
クーラーや扇風機をつけていても、暑いものは暑い..。じっとりまとわりつくような高温多湿の日本の気候。毎年のように最高気温を更新していますね。
そんな中、いつも思います。クーラーや扇風機がない昔の人たちはどうやって涼をとっていたのだろう..と。身近なアイテムでは、「うちわ」や「風鈴」などがありますが、さらに調べてみると「打ち水」が代表的な暑さ対策だったようです。

打ち水とは、朝や夕方の日が高くない時間帯に、道や庭へ水をまく行為のことをいいます。
高温になった場所に水をまくと、地面の熱を奪い、大気中に逃げて(蒸発して)いきます。その際にやりとりされる熱のことを「気化熱」と言い、一時的に体感温度を下げるはたらきがあることから、冷房設備が整っていない時代には積極的に行われていたそうです。
身近なところでいうと、お風呂上がりや運動した後に身体が冷えるのと同じ仕組みですね。

さらに打ち水は、土ぼこりや砂ぼこりを抑えたり、場所を清めたり神道的な意味合いや、来客への気遣いの一つでもあったようです。
近年では、ヒートアイランド現象対策、電力エネルギー節約のために色々な地域で打ち水のイベントが行われています。決まった時間に集まって、みんなで一斉に水をまく。使う水も、雨水や2次利用水を活用します。
打ち水は子どもからお年寄りまで気軽に参加できることから、交流のきっかけにもなっているそうです。外に出ることでご近所さんと挨拶を交わしたり、近況を報告しあったり。「暑いですね」と言いながら水をまき、自然に距離も縮まるというのは、今も昔も変わらないのかもしれませんね。

さて、私は奈良県でお店をやっていますが、あまりの暑さに最近お店でも打ち水を採用しています。
コンクリートの建物なので、店内に水をまいてもすぐに乾きます。先日オープン前に打ち水をしました。ジョウロで水をまんべんなくかけて、床はビシャビシャ状態に。そして、室内の温度が下がってきて、「あぁ気持ちいい!」と思っていたら、なんと、お客さんが来てしまいました。
私は慌てて「ごめんなさい、打ち水したばっかりで..」と言ったら、お客さんは笑いながら「私の家でもよくやっています」と話してくれて、そこから話が盛りあがりました。

改めて、打ち水はただ温度を下げるだけではないのだなぁと感じて、うれしさが込み上げてきました。
クーラーや扇風機もいいですが、たまには打ち水も併用して猛暑の夏を乗り切りましょう。

高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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