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アサギマダラ

旬のもの 2022.10.21

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こんにちは、昆虫写真家の村松です。
昆虫の写真を撮ったり、Webでいろんな昆虫を紹介するムシミルの運営をしたりしています。

今回のお話は、旅をする蝶のアサギマダラです!

淡い水色に、黒から赤茶色の模様が特徴的なチョウです。
どこか日本的な雰囲気を持っていて、羽を広げた姿などが着物のようにも見えてきます。

そんなアサギマダラは、全国的に見ることができます。
しかし、幼虫が越冬できるのは関東よりも西の地域だけで、北の方では冬場は記録されていません。
これは、アサギマダラが長距離を移動しているからで、成虫になってからかなりの距離を飛ぶことができます。

聞いたことがある人もいるかも知れませんが、アサギマダラはマーキング調査が行われています。
一度捕まえたチョウに印をつけることで記録をして放します。再度そのチョウを捕まえた人が記録をしていくことで、どのくらいの距離をどのように移動したかを調べるのです。

途方もない調査のように思えますが、アサギマダラは長距離を移動するチョウなのではないかと気づいた人たちが、少しずつ協力者を増やしていくことで調べられるようになっていったんですね。
その記録から凄いこともわかりました。2,000キロを超える距離を移動するものまで見つかったんです。
海だって超えてしまいます。
本州の端から端まで1,500キロもないので、すごい距離を飛ぶことがわかります。

季節によって過ごしやすい場所を目指しているのでしょう。
春には北上し、秋には全体的に南下してくることが知られています。

よく目にするのが、ヒヨドリバナやフジバカマに集まってミツを吸っているところです。
地域によっては、フジバカマなどをたくさん植えていて、移動してきたアサギマダラがやってくる様子をたくさん見ることができるところもあります。

実家の庭にも植えてあったようで、今年もアサギマダラがやってきたと連絡があり、秋を感じます。

長い旅をするチョウですが、道中には危険もたくさんあるでしょう。
しかし、幼虫が食べるガガイモ科の植物には毒性のある成分が含まれていて、それを成虫になっても体内に蓄えています。
身を守る術も持っているんですね。

アサギマダラを見かけたときには、どこからやってきたのか?
そんなふうに思いを馳せながら観察してみるのも楽しいですね。

写真:村松佳優

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村松佳優

昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。

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