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森林浴しんりんよく

旬のもの 2023.05.28

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おはようございます、こんにちは。編集者の藤田華子です。
この時期は緑が青々と美しく、山や森のなかにいると、緑を“浴びている”感覚になります。「森林浴」とは読んで字のごとしだなあ、と思います。

実はこの言葉、森林の保全や、林業の発展などを任務とする農林水産省の外局・林野庁(りんやちょう)が、1982年に提唱したことで作られました。 健康・保養に日本の森林を活用することを目指し、「森林浴」というキャッチコピーを世に送り出したのです。そしてマスコミが「森林浴は健康に良い」と取り上げ、広まっていったというわけです。

ふだん何かを言い切ることの少ない私ですが、那須の山奥で育ち、いまは東京に住んでいる身として、「森林浴の効果は確かなものだ!」と大きな声で言いたくなります。実家で緑を浴びるたびに、コンクリートジャングルに暮らしているばかりではすり減るものがあると実感するからです。森林環境に身を置いたときに得られる、ストレスの軽減効果、癒し、リフレッシュ…。みなさんも、共感してくださるのではないでしょうか。

写真提供:藤田華子

しかし、森林浴の効果は、科学的に認められるという説や、効果が“見込まれる”という説など、諸説あるようです。

科学的な根拠の一例として、たとえば樹木から出る芳香性物質「フィトンチッド」が挙げられます。「フィトンチッド」は、人間の心身を癒し、安らぎを与え、清々しい気分にする効果があるものです。それに、“1/fゆらぎ”といって、川のせせらぎや風の音などの自然界に存在する不規則なリズムが、人間に癒し効果を与えることも研究で確かになっています(モーツァルトの楽曲には1/fゆらぎがあるので、入眠時におすすめです)。

爽やかな空気、ざわざわと木が揺れる風音、鳥のさえずり、木漏れ日、目に飛び込む鮮やかな緑…五感で森林を味わうことで私たちの心身が喜んでいたら、それはもう意味のあること。

読んでいて、ああ、森林を浴びたい!とお思いの方も多いのではないでしょうか。
そうしたら、まずは、森林に足を運んでみましょう。都会にお住まいの方は、近隣の公園を探してみるのもいいでしょう。何も難しいことはなく、あとはそこに身を置くだけ。ハイキングやトレッキング、ピクニック…どんなかたちでもいいのです。

手軽な例だと、私は近所にある大きな保存樹で森林浴をしています。“森林”といえるほどではないのですが、この樹を眺めたり、そっと手を当てたりしているだけで、不思議とエネルギーが湧いてくる気がするのです。

最近は、“森林セラピー”というものに取り組んでいる企業も多いと聞きます。より、医療や治療の目的で活用されることを見込んだ活動なのでしょう。
いまの時期にしか楽しめない森林浴。ぜひ、満喫してみてください。

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藤田華子

ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。

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