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肝試しきもだめし

旬のもの 2023.08.06

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おはようございます、こんにちは。編集者の藤田華子です。
暑い夏にひんやりとするものといえば、何が浮かびますか?
かき氷?川遊び?今日は、背筋がゾクゾクっと冷える「肝試し」がテーマです。

みなさん、肝試しをしたことはありますか?
主に夏の夜に行われる日本の伝統遊びのひとつで、森や廃墟などを歩いて恐怖に耐える力を試す(ときに競う)もの。

私の小学校では毎年肝試し大会があり、上級生がお化け役をして下級生を驚かすのが恒例でした。私はむかしから極度の怖がりで、驚かす側にまわったときでさえ、ひとり音楽室で下級生がやってくるのを待つ時間が大変な苦痛だったのを覚えています(笑)。

「もしかしたらここに何か霊的なものがいるかもしれない…」と胸がザワザワするあの感じ、いわゆる第六感は、古来、人間に備わっていたのでしょう。
平安時代後期に書かれた歴史物語『大鏡』に、「肝試し・道長の豪胆」という章があり、このころから肝試し的な発想があったとうかがえます。

<あらすじ(意訳です)>
雨が降る夜、花山天皇が物足りないと思ったのかこう言います。
「今夜はとても気味が悪い夜だ。まして、(人気のない)離れた所に、一人で行くであろうか」
すると藤原道長だけがやり遂げ、証拠として刀で柱を削いで持って帰ってきたのです。

藤原道長は、こののち政治の中心的存在になっていきます。彼が肝を試し、肝が座っているからこそ大成したのだと物語るようなお話です。

ところで、「肝(キモ)」っていったい、体のどこを指すのでしょう?
調べてみると、漢字の通り肝臓を指すそうで、肝は昔から”気力や精神力の元”とされているとわかりました。「肝心」「肝が座る」「肝っ玉母ちゃん」などという言葉からも、パワーの集まる場所として考えられていたと伝わってきます。
その大切な「肝」がどれくらい強いのかを見てみようというのが、肝試しの由来というわけです。

肝試しをやってみたいと思ったら、気をつけなくてはいけないポイントを記載します。
スポット選びや驚かす方法など、一歩間違えるとまわりの方に迷惑をかけてしまうのでご注意ください!

・無断で他人の廃墟に立ち入らないように。刑法の「建造物侵入」に触れる恐れも。
・落書きをしたり建物を壊したりしてしまうと「器物損壊」になりえます。
・参加者が怖がっているのに無理強いしすぎると、「脅迫罪」「強要罪」が成立する可能性も。

暑い夏、ルールを守って夏の夜を楽しみましょう!

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藤田華子

ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。

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