今日のお話は「四角豆(うりずん豆)」です。
四角豆は、熱帯アジアまたはマダガスカル原産と言われています。名前の由来は、さやに4つのひだがついていて、切った断面が四角にみえることからきているそうです。英語では、Winged bean(羽がついた豆)と呼ばれています。確かにひだが羽のようにみえますし、ヒラヒラと飛んでいきそうなユニークな形をしています。
さて、四角豆は沖縄と深い関わりがあります。1970年頃、国内の流通網が発達する前の沖縄は、夏野菜が不足していたため、新たに栄養価の高い野菜で補う必要があり、かくして四角豆の栽培が始まりました。
1980年頃に、現在の国際農林水産業研究センターで、新品種が開発され、「うりずん」と名付けられました。
名前の由来は諸説ありますが、2月下旬から4月下旬(旧暦の2月と3月)を琉球方言で、「うりずん」と呼びます。「うり(潤う)ずん(水が土に染みる)」や、「潤い初め」を表すそうです。
新緑が広がり爽やかな南風が吹くこの季節が、茹でた四角豆の淡い緑色と似ていることから「うりずん」と呼ぶようになったそうです。 沖縄では、「うりずん豆」、「シカクマーミー」とも呼んでいます。
四角豆は、10cmから15cmの若いさやを食べます。主な食べ方は、天ぷら、おひたし、炒め物などです。味はいんげん豆にやや似ていますが、甘みとほのかな苦味があります。食感が特徴的で、コリコリ、シャキシャキ、しています。
今日は簡単な食べ方をご紹介いたします。まずは、茹でた四角豆の使い方です。約2分塩茹でした後、水に30秒さらします。キッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ることで、鮮やかな緑色を保つことができます。
お好みの大きさに切ったものを、お肉のソテーの付け合わせやサラダのトッピングにパラパラと添えたら完成です。
料理の彩りを演出したり、味のアクセントになりますし、ユニークな形ですので、食卓の話題作りになると思います。
次は、同様に茹でた四角豆を小さめに切ったものを小鍋に入れて、麺つゆを入れて2、3分軽く煮て、火を止めてそのまま冷まします。
このおかずをお弁当に入れたところ、とても大好評でした。
これからは新米の季節ですので、炊きたてごはんのお供にされてはいかがでしょうか。
最後は、丸ごとそのまま天ぷらです。食べ応えあるのですが、ペロリと食べることができてしまうほどの絶妙な味わいです。
沖縄から栽培が始まった四角豆ですが、今では全国各地へと栽培が広がっています。最盛期は8月頃から10月頃で、これから楽しめる野菜ですので、見かけたら是非味わってみてください。
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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