こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。
さまざまな神社で目にすることができ、近年では多種多様な絵柄や形のものも増えて、個性豊かになってきた授与品――絵馬。
皆さんも、絵馬の裏側にお願いごとや神様へのお礼を書いて、神社に奉納したことがあるでしょうか?
絵馬は「絵に描いた馬」と書きますが、古くから馬は「神馬(しんめ)」と言って、神様の乗り物とされてきました。
今も、本物の馬の御神馬がいる神社もありますし、神馬の像が祀られているところも少なくありません。
もとは神様への祈願や御礼に際して、神社に生きた馬が奉納されてきたものが、簡略化されて馬像や板に描かれた馬の絵になるなどしたことが由縁になっています。
今でも絵馬殿と呼ばれる、奉納された大型の絵馬を飾る場所がある神社や、社殿の中に馬が描かれた大きな木の板が飾られているのもよく見かける光景です。
その歴史は奈良時代にまでさかのぼり、実際に遺跡からも絵馬の原型とみられるものが出土しているのだとか。
時代とともに形は変わっても、絵馬は心に願いや祈りを持つ私たち人間にとって、「神様と心を交わすひとつの道具」として大切にされてきたのだということが感じられます。
それが、誰でも手軽に奉納できるように小さな形で受け継がれてきたのが「小絵馬」という、いわゆる私たち参拝者が奉納する「絵馬」なのですね。
馬の姿が描かれているもの以外にも、その年の干支や、その神社を象徴するようなデザインのものなど、昨今は見ているだけでも楽しい絵馬をたくさん見かけます。
神社の絵馬掛け処には、さまざまな祈りを神様に届けようと、裏側に文字が書かれた絵馬がさげられています。
私はそれを見るたびに、まるで神様へ書く「お手紙」のようだなと思うのです。
人の願いや祈りは、声や文字などの「言葉」にして伝えることで、またひとつ大きな力を持つのではないでしょうか。
御神前に立って胸のうちでそっとお祈りすることはもちろん、御祈祷を受ければ神主さんが祈りを「声」に出して神様に届けてくださいますし、絵馬は「文字」として神様に想いを届ける方法になります。
絵馬は神社の絵馬掛け処にさげて奉納される方が多いですが、お持ち帰りいただいて、自宅で飾っていただくのもひとつです。
ご自宅でその絵馬を目にするたびに、神様に誓ったことや届けた願いを、今一度心に呼び起こすことができるはず。
それも、日々の暮らしの中で神様を意識する、素敵なことだと思います。
皆さんもぜひ、お好きな神社で気になる絵馬を見かけた際には、神様への感謝や願いごとを書いて「祈りの心」を届けてみてくださいね。
紺野うみ
巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。
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