手軽に食べられる海藻のひとつ「もずく」。
一年中店頭に並んでいるので、旬を意識したことがないかもしれませんが、実は春から初夏にかけてが、もずくの旬です。
天然のもずくは、他の海藻などにくっつくように生えているため、「藻に付く」という意味から「もずく」と名がついたのだとか。
温暖な地域の浅い海に生息しており、海の中で光合成をして暮らしています。
暑い夏になると枯れてしまうため、旬の時季以外のものは、冷凍や塩蔵されたものがほとんどです。
私たちが普段食べているもずくの9割以上が、沖縄で養殖されたもの。
沖縄では昭和50年代から養殖が始まり、環境が適していたこともあって、その後どんどん盛んになっていったそうです。
沖縄もずくは、やや太めで、つるりとしたぬめりと歯応えのバランスが良いのが特徴。お酢との相性が抜群なので、普段からパック入りの「もずく酢」を好んで食べている方も多いのではないでしょうか。
4月から6月ごろにしか出回らないため、旬の生もずくにはなかなか出合えません。
運良く購入できたら、さっと水洗いして、新鮮なもずくの力強い食感を味わってみましょう。
一大産地の沖縄県では、毎年4月の第3日曜日は「もずくの日」に定められていて、旬のもずくの試食や収穫体験など、さまざまなイベントを通して、もずくの魅力を伝えています。
もちろん、もずくを使った料理も豊富。
「もずくの天ぷら」や「もずく雑炊」など、昔から知られたメニューもあれば、沖縄の学校給食から人気に火がついた「もずく丼」なる料理もあります。
もずく丼は、もずくを食べやすい長さに切って、ひき肉や野菜と一緒に炒め、醤油やみりん、砂糖で甘辛い味付けに。隠し味に生姜を加えると、もずくの磯臭さが消えて、絶妙なおいしさに仕上がります。それをご飯の上にのせて、いただくというもの。
もずく酢に慣れているととても斬新に感じられますが、予想外に食べやすく、学校給食で大人気になりました。今では家庭料理としても定着し、沖縄の新しい味として広まっています。
ご家庭でも簡単に作れるので、ぜひお試しくださいね。
清絢
食文化研究家
大阪府生まれ。新緑のまぶしい春から初夏、めったに降らない雪の日も好きです。季節が変わる匂いにワクワクします。著書は『日本を味わう366日の旬のもの図鑑』(淡交社)、『和食手帖』『ふるさとの食べもの』(ともに共著、思文閣出版)など。
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