こんにちは、昆虫写真家の村松です。
昆虫の写真を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」の運営をしています。ムシミルで検索してみてください。
今回はカマキリのようでカマキリではない昆虫。
ミズカマキリを紹介します。
まずはどのような昆虫なのかご覧ください。
とても細長い体をしている昆虫で、前脚がカマのように発達しています。
水の中で生活し、カマキリのように発達した前脚を使って獲物を捕える様子からミズカマキリと名付けられています。
前脚をアップで見るとカマのように発達しているのがよくわかります。トゲもついているので獲物をがっしりと掴めそうです。
顔もなんだかカマキリに似ています。
水中で生活していますが、魚のようにエラ呼吸をしているわけではありません。
陸で見つけることもあります。小学生の頃には夜間のプールへ友達と遊びに行っていたのですが、その時にプールのライトに飛んできたと思われるミズカマキリが、プールサイドを歩いているのを見つけてはしゃいでいたこともあります。飛ぶこともできるのはすごいですね!
ちなみに、おしりの方から伸びている長い紐のようなものが呼吸管になっています。
ですから水中で獲物を待ち構えている時は、呼吸管を水面にくっつけて酸素を取り込んでいるんですね。
写真を見るとお尻の先を水面に伸ばしているのがわかります。
カマキリのようでカマキリでは無い昆虫と紹介しました。
実はミズカマキリはカメムシの仲間です。水中で生活するカメムシが細長く進化したのがミズカマキリです。
普段目にするカメムシと見た目が全く違うのでビックリする人も多いですね。
全く異なるグループの生物が、似たような進化をたどる現象のことを収斂進化(しゅうれんしんか)と呼びます。
陸上と水中の違いはありますが、獲物を捕えるために前脚をカマのように発達させた結果。カマキリとミズカマキリの姿が似てきたと思うと進化の不思議を感じて面白いです。
ミズカマキリの赤ちゃんが観察できたので紹介します。
細長い卵で、生まれてきた赤ちゃんも細長い体型です。
卵の上部をパカッと割って一生懸命出てくる姿にぐっときます。
カマキリと似た姿になったこともそうですが、生息環境に合わせて進化してきた形や生態には興味がつきません。
身近な昆虫にも不思議はいっぱい隠れています。生き物の観察を通してそんな不思議を見つけていきたいですね。
写真:村松佳優
村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
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