今日のお話は「空芯菜(くうしんさい)」です。
原産地は、熱帯アジア、東南アジア、中国南部です。暑さに強く、20度以上の気温が生育に適しているので、旬の時期は夏です。
茎が空洞になっていることから、空芯菜と呼ばれています。また、「エンサイ」「アサガオナ」「ツウサイ」「ヨウサイ」、沖縄では「ウンチェー」、タイでは「パックブン」などとも言います。実に色々な名前がありますね。
さつまいもと同じヒルガオ科の野菜で、 新芽が伸びて先のやわらかいツル先部分を食べます。葉は独特なヌメリがあり、茎はシャシャキしています。
中国料理、東南アジア料理のお店のメニューで「空芯菜炒め」を召し上がられる方もいらっしゃるかと思います。
にんにくや唐辛子などと油で炒めるだけのシンプルな料理ですが、お店によって味付けが違ったりします。
塩や鶏がらスープのあっさりした味から、色々な発酵調味料を合わせた濃いめの味などがあります。
以前働いていた市場では、人気の野菜で露地栽培とハウス栽培のものが通年を通して流通していました。
近年では道の駅などで地元の農家さんが栽培した空芯菜が並ぶようになりました。夏の暑さに弱いほうれん草が少なくなって来る頃に、モロヘイヤやツルムラサキと共に空芯菜が並びます。
選ぶ時は、葉っぱがキュキュッと引き締まっていて、みずみずしい綺麗な茎をしているものです。
大きめの葉や太い茎は、かたい食感が残りやすいので、できるだけ茎は細めのものがおすすめです。
空芯菜は、元々水辺で育つため水を吸い上げやすいように茎の中が空洞になっています。
買った後の保存にひと手間かけると、より良い状態を保つことが出来ます。まずは袋の下の方をハサミで切ります。次に茎の部分に水で濡らしたキッチンペーパーを巻いて、ラップで包んで、冷蔵庫に立てて保存します。
お料理前にもひと手間をかけてください。
水洗いをした空芯菜の茎元を少し切り落とします。水を入れた大きめのボールに、茎がしっかり浸かるようにして3分ほど置きます。
水をしっかり吸い上げた空芯菜は、収穫したてのようなみずみずしさを取り戻しますので、水が大好きな野菜と言えるかもしれません。また火の通りが早く、加熱後の色味や食感が良くなります。
今日は「空芯菜炒め」をご紹介します。空芯菜の加熱調理が始まったら、完成まで3分です。よかったら作ってみてください。
空芯菜の炒め
〈材料〉
•空芯菜 1束(約150g)
•みじん切りしたにんにく 1片分
•油 大さじ2
•鶏がらスープ 200cc
(市販の類状タイプは小さじ1と1/2)
•酒 大さじ1
•塩 少々
〈作り方〉
①水をつけた空芯菜の葉は水気をキッチンペーパーなどでよく拭き取ります。
②葉の部分、茎は半分の長さに切り分けます。
③小鍋に鶏がらスープを温めます。
④フライパンに油とにんにくを入れて弱火で温めます。
⑤沸騰した鶏がらスープに空芯菜の茎の部分のみ入れて20秒茹でます。
⑥④を強火にして、茹でた空芯菜の茎、葉、酒を入れて、菜箸で2、3回混ぜて、蓋をして1分加熱します。
⑦火を止めてお皿に盛り付けた後、鶏がらスープをかけたら完成です。
⑧味がうすく感じたら、塩を少々振ってください。
〈ポイント〉
•茎が太い場合は、縦半分に切ってください。
•蓋の代わりに、クシャクシャにして広げたクッキングシートでも良いです。
•お子さまにも食べやすい味にしていますが、種を取った赤唐辛子を½入れても良いです。
•④から⑦の工程をタイマーで3分時間を計ると、炒めすぎになりにくくなります。
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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