こんにちは、昆虫写真家の村松です。
昆虫の写真を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」の運営やブックレットの制作をしています。ムシミルで検索してみてください。
秋に鳴き声を楽しむ昆虫と聞いて思い浮かぶ虫は何でしょう?
スズムシなどが有名かと思いますが、今回紹介するのはマツムシです。
童謡の「虫のこえ」にも登場し、その鳴き声は「チンチロチンチロチンチロリン」と表現されています。
歌のリズムを聴くとゆったりした印象ですが、本物の鳴き声は「チッ、チロリッ」っとキレのある音を奏でます。
初めて鳴き声を聞いた時にはビックリしましたが、特徴的な音なので毎年聴こえてくるのが楽しみです。
基本的に夜中に鳴く夜行性の昆虫です。
鳴き声を頼りに姿を探すこともできますが、不用意に近づくと鳴くのをやめてしまうので見つけるのは苦労します。
ゆっくりと慎重に近づいて見つけることができれば、葉っぱの上で羽を震わせている姿を見ることができるでしょう。
枯れ草に紛れるように進化してきたのか、体の色は明るい茶色です。
黒色のコオロギやスズムシとは違った雰囲気を持った鳴く虫ですね。
鳴くのはオスだけで、メスを誘うために求愛して鳴いています。
立体的な羽の模様部分を擦り合わせて音を出すので、鳴かないメスとは見た目の印象も異なります。
オスは鳴くために複雑な構造の羽を持ちますが、メスは羽の模様がすっきりとしたシンプルな印象です。
オスを気に入るとメスが近づいてきます。
オンブバッタなどの昆虫はオスがメスの上に乗っているのを見ますが、マツムシは鳴いているオスの上にメスが乗ってきます。
数を減らしていた時期もあるように感じますが、最近は少し増えてきたような気がしています。
家で飼ってみて鳴き声を楽しむのもいいですね。
見つけた場所の近くにある草やクズの葉などを入れておくと食べてくれますし、ナスやキュウリなどの野菜も食べてくれるので飼育もできます。
ただ、葉の上で生活する昆虫なので脚のひっつく能力が高く、かごやプラスチックケースの側面も登ってきます。
跳ねるので、部屋のなかで逃がすと捕まえるのが大変です。
脱走には注意して飼育したいですね。
マツムシの他にも、たくさんの昆虫の音色が楽しめる時期です。
少し耳を澄まして観察すると楽しいですね。
写真:村松佳優

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
