こんにちは、昆虫写真家の村松です。
昆虫の写真を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」の運営やブックレットの制作をしています。ムシミルで検索してみてください。
今回はバッタの仲間であるツチイナゴのお話です。
イナゴと名前のつくバッタは、イネ科の植物などを好んで食べるために、稲作をしてきた日本ではとても身近な昆虫です。
田んぼは減ってきましたが、公園などにある植物でも見られるので、昆虫採集をして遊ぶときにも捕まえやすい仲間です。
そんなイナゴにもいろんな種類がいますが、今回紹介するツチイナゴはちょっと大きくて茶色いイナゴです。
体の色には多少の変化はありますが、基本的に成虫は茶色をベースにした配色です。
特徴的なのは、目の下に涙を流したような黒い模様が入っているところで、ツチイナゴのチャームポイントです。
イネ科の植物を好んで食べるイナゴですが、ツチイナゴはクズなどもよく食べるので、クズが多く育った雑草地帯などを探すと見つかりやすいです。
成虫は茶色ですが、幼虫はだいたい緑色の体です。
大人になると急に茶色く変身するので驚きますね。
脱皮しても涙模様が残っているのがなんだか愛らしいです。
暖かい季節に育つ幼虫は、緑の体のほうが葉っぱに馴染んで見つかりにくいのだと思います。
茶色くなった成虫は、クズの葉っぱの上なんかではすぐに見つかります。
では、なぜ成虫は茶色くなるんでしょう?
それはツチイナゴの生態が大きく関わってきます。
バッタの仲間は秋に産卵をすると、ほとんどが冬の前にはいなくなってしまいます。
しかし、ツチイナゴは冬の間を成虫で過ごす昆虫なんです。
冬の間は、枯れた草や木々の色に馴染むのに茶色い体が有利なんですね。
春になって暖かくなると活動を再開して産卵をします。
ですから、春先から成虫が見られる珍しいイナゴなんですが、幼虫は他のバッタの幼虫と比べると、少し遅れて見られるようになります。
ちょっと変わった生態ですが、冬の間に成虫を探せる昆虫でもあります。
冬の間の散歩は、ちょっと枯れ草をのぞいてみたり、木になにか止まってないか探してみたりするのも楽しいですよ。
写真:村松佳優
村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
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