今日は「寒天の日」です。
2005年のこの日に寒天がテレビで健康食品として紹介され、注目を浴びたことにちなみ制定されました。

寒天は、天草やオゴノリなどの海藻を煮詰めて固めたものを、凍らせて乾燥させたものです。寒天を使った食べ物と言えば、羊羹・みつ豆など和菓子が思い浮かびます。
寒天は遣唐使の時代に中国から日本に伝わった食べ物「ところてん」から偶然生まれたとされています。
江戸時代、京都•伏見の美濃屋という旅館で、真冬のある日外に出したままにしていた「ところてん」が夜の冷え込みで凍ってしまいました。数日間放置した所、夜の凍結と、昼の気温の上昇で水分が溶け出す解凍の繰り返しで乾燥したものを、宿の主人が水に戻して煮固めて食べてみました。今までの「ところてん」に比べると、見た目は白く透き通っていて、味は海藻くささを感じないという良さがありました。諸説ありますが、「寒ざらしのところてん」から「寒天」になったとされています。
寒天作りは、夜の冷え込みが激しい、晴天の日が多い、空気が乾燥している、といった条件を備えたなどの気候風土が適していることから、江戸時代末期から大正にかけて、寒天作りの中心だった京都や大阪から、長野や岐阜などの地域へ伝わっていきました。

昔ながらの伝統技法で作られる天然角寒天や糸寒天の製造期間は12月中旬から2月中旬までの約2ヶ月間です。海藻を煮詰めて作った「ところてん」を天日干しで乾燥させて完成するまでに約10日間から20日間かかります。真冬の凍りそうな外での作業の大変さは私の想像以上だと思います。今も日本で生まれた寒天を受け継ぎ守っている、作り手の方達に感謝したいです。

食料品専門店、スーパー、ネットなどで天然角寒天、棒寒天、糸寒天は手に入ります。どの商品の袋にも、寒天料理、寒天の戻し方など丁寧な説明が記載してあり、いつもの献立で簡単に使えるものばかりです。

例えば、味噌汁にはそのまま入れる、サラダ・酢の物には、水で戻した寒天の水気を絞ってちぎりのせるだけ、米一合に対し寒天を1g入れて炊くとご飯につやが出るなどです。

私は他にお好み焼き、ハンバーグ、野菜炒め、柑橘の寒天、寒天液にドレッシングを混ぜてジュレにしています。寒天を使った和菓子のお気に入りは、1803年創業時から受け継がれている京都の老舗和菓子屋の銘菓です。こし餡に煮立てた寒天をかけ、艶やかに仕上げられています。

最後に、寒天は食物繊維が豊富に含まれているため1日2gまでと推奨されています。食物繊維を多く摂りすぎると腸の調子を崩しますので、ご注意いただきながら、寒天料理を楽しんでください。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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