今日のお話は旬を迎えた「さくらんぼ」です。
果物の宝石とも呼ばれるさくらんぼの語源は、桜を擬人化した「桜ん坊(さくらんぼう)」と言われています。
さくらんぼの木はバラ科サクラ属の果樹で、5月初旬頃に白い花を咲かせます。1つの花芽に2個以上の花が咲くと、よく見るさくらんぼのイラストのように1つの軸に2個の実がなることがあります。
自分の花粉だけでは実らないので、いくつかの品種を育て、放し飼いにしたミツバチや昆虫を利用して別の品種のさくらんぼの花粉を運んでもらいます。または、人の手を使って毛バタキで花粉をつけて受粉させます。
こうして実ったさくらんぼは、ハウス栽培のものが5月頃から、露地栽培のものが6月頃から出回り、7月頃まで色々な品種が味わえます。
山形県は全国の収穫量の7割を占めるさくらんぼの一大産地です。1875年に3本の苗木が試植され、今年の2025年で山形県でのさくらんぼ栽培が始まってから150年を迎えます。
山形県内の7割を占める代表的なブランド品種が「佐藤錦」です。1912年、佐藤栄助さんが甘くて果肉がやわらかく日持ちがしない「黄玉」と、酸味が強く果肉はかたく日持ちする「ナポレオン」を交配・育成させて16年以上の長い年月をかけて作りました。
田中友規さんの「さくらんぼ」のコラムでは「ナポレオン」にまつわるお話が紹介されています。
現在では「佐藤錦」を他の品種と交配させた「紅秀峰」、「紅さやか」、「紅てまり」などの品種があります。
甘みが強いもの、日持ちや量産性に優れているもの、特徴も様々です。
口の中で広がるさくらんぼの甘酸っぱい繊細な味がたまりません。
美味しいさくらんぼを見分けるポイントは、艶やかで張りのある果皮、色が均一、鮮やかな赤色、変色していない、傷がついていないもの。軸は緑色で枯れていないものを選ぶと良いです。
少し傷がついたもの、触ってぷよぷよして張りがないもの、色付きにばらつきがあるものは、食味が落ちています。その時は軽く焼くのがおすすめです。
耐熱皿に実を入れてオリーブオイルを少し入れて混ぜ合わせ、予熱したトースターか魚焼きグリルに入れて1分半焼きます。
やや温かいままで食べると、オリーブオイルが新鮮な風味を演出し、さくらんぼの甘みと旨みが凝縮された味わいになります。
そのまま冷まして料理に添えても良いです。特にベーコンやソーセージの燻製と相性が良くて、一緒に食べると甘酸っぱいソースのような感覚です。じゃがいものソテーとも合います。
今日のレシピは、アメリカンチェリーを使った簡単に出来るデザートです。
アメリカンチェリーの濃厚な甘さは、焼き菓子の材料やジャムなどに向いています。よかったら作ってみてください。
アメリカンチェリーのカスタードクリーム
材料
•アメリカンチェリー 100g(約18粒)
A
•砂糖 大さじ1
•水 大さじ10
【カスタードクリーム】
•卵 1個
•砂糖 大さじ2
•小麦粉 大さじ1
•牛乳 130g〜150g
作り方
①軽く水洗いしたアメリカンチェリーの種を取ります。包丁で切り込みを入れると取りやすいです。実を半分に切ります。
②ボールに①とAの材料を入れて中火弱でグツグツしたら弱火にして3分煮て火を消します。
③カスタードクリームを作ります。ボールに卵と砂糖を入れ、お箸で3分間よく混ぜ合わせます。小麦粉をザルに入れ軽くふるって加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせます。
④小鍋で牛乳を軽く温めます(1分)。③の中に牛乳を入れて混ぜ合わせます。
⑤小鍋にザルの上から液を入れます。中火でゴムベラを底と周りをあてて混ぜながら中火で温めます(1分)。フツフツしたら弱火にして、②のアメリカンチェリーを全部入れて、トロミがつくまでゴムベラで混ぜます(3分)。
耐熱皿に入れて粗熱が取れてからラップをして冷蔵庫で冷やしたら完成です。
ポイント
カスタードクリームにバニラエッセンスかブランデーを少し入れると、ぐっと風味が良くなります。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
