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むくみ対策

旬のもの 2025.07.16

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梅雨が終わる6月後半から7月にかけて、体がどんより重だるくなる──そんな声をとくに30〜50代の女性からよく聞きます。朝起きたら顔がパンパン、夕方には靴がキツいなんて、誰しも心当たりがありますよね。

「これ、湿気のせいかな……」とため息をつく前に、覚えておいてほしいことがあります。むくみは、からだからの大切なサイン。「ちょっといま、バランスが崩れていますよ」と、健気なあなたの体が教えてくれているんです。

さらに追い打ちをかけるのが、仕事後のキンキンに冷えたビールや、食後のひんやりスイーツ。これらは一時的な気持ち良さをくれますが、じつはむくみを悪化させる原因にもなります。

今日は、中医学の視点で「梅雨むくみ」の正体を探りつつ、明日からすぐにできるシンプルな養生法をお伝えします。ジメジメの季節も、小さな工夫で快適に乗り切りましょう。

なぜむくむ?犯人は「湿邪」と弱った「脾」

中医学で「湿邪(しつじゃ)」とは、体に余計な水分をため込む“湿気”のこと。

•外湿:空気中の高い湿度が身体に侵入
•内湿:食べすぎや冷たい飲食で体内に生じるネバネバ液

この内外の湿気をコントロールするのが、中医学でいう「脾(ひ)」──消化と水分代謝の要です。消化したものから栄養を吸収し、余った水分を尿や汗で排出する“司令塔”が脾。ところが湿気が多いと脾は弱り、水分処理が追いつかず、皮下にムクムクと溜まってしまう。それがむくみの正体です。

冷たい&甘いが追い打ち!むくみ悪化の悪循環

1.冷たいもの → 胃腸がキンと冷えて脾の働きがストップ
2.甘いもの → 体内でネバネバした「内湿」を増やし、さらに脾を弱める
3.脾が弱る → 水分代謝がダウン → むくみが増す

「体が重い」「食欲がない」「便がゆるい」なども合わさって現れたら、脾からのSOSサインかもしれません。

今からできる“梅雨むくみ撃退・養生法”

【食事編】温め・巡らせ・出す

1.温かいものをよく噛んで
常温のお茶や生姜入りスープをプラス。よく噛むほど脾の負担が軽くなります。
2.利水&健脾食材を活用
・利水(むくみ取り):小豆・はとむぎ・冬瓜・とうもろこしのヒゲ茶
・健脾(脾を元気に):お米・山芋/長芋(加熱して)・かぼちゃ・生姜・ネギ
3.冷&甘&生ものはほどほどに
アイスやケーキ、生野菜は多くても2日に1回、少量で。やりすぎず緩く制限。

【生活編】からだから直接デトックス

1.じんわり汗をかく運動
ウォーキングやストレッチで皮膚からも水分を出す。
2.ぬるめのお風呂にゆったり浸かる
38~40℃の湯船に15分程度。血行促進&水圧で排出力アップ。
3.足首・ふくらはぎを冷やさない
オフィスで靴下やレッグウォーマー、ひざ掛けを利用して巡りを守る。冷やすと血も水も巡りが悪くなります。

おわりに

むくみは、あなたの体が「ちょっと見直してね」と教えてくれるサインです。
まずは冷たい飲み物を常温のお茶に変え、毎食味噌汁を一杯プラス。それだけでも脾が喜ぶはず。

小さな変化の積み重ねで、体のバランスはグッと整います。あなた自身の体と向き合い、今日からゆるっと始めてみてくださいね。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

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