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昆布こんぶ

旬のもの 2025.08.09

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今日は、ジリジリと照りつける夏の太陽の光を浴びながら天日干しにされる「昆布」のお話です。

昆布漁の最盛期は7月から9月です。生昆布の色は、深く渋みのある黄色をしています。

昆布の歴史は大変古く、奈良時代に朝廷に献上された記述が文献に残されています。
名前の由来は諸説ありますが、アイヌ民族が呼んでいた「こんぷ」から変化したそうです。いくつか古名があり、平安時代には海藻を表す語尾に「め」をつけていたことにちなみ、「広呂米、広布(ひろめ)」、「衣比須米、夷布(えびすめ)」、鎌倉時代には「養老昆布(よろこぶ)」があてられ縁起物として広まっていきました。お正月には昆布巻き、大福茶、鏡餅のお飾り、結納や七五三のお祝いにと、おめでたい日に欠かせない品です。

日々の食卓でも昆布は色々な形で並びます。例えば佃煮やおぼろ昆布うどん、お吸い物、湯豆腐やおでんの鍋料理、鯛などの白身魚の昆布じめ、お漬物、昆布茶などがあります。いずれも昆布の旨み成分グルタミン酸を引き出した味が楽しめます。海中では昆布の細胞膜が守っているため、昆布の出汁は海では出ません。水揚げ後に乾燥や加工をして細胞膜が壊れることで、昆布から出汁が出ます。

私は先日、京都•西陣にある昆布屋さんで水曜日限定お徳用の汐吹昆布を買いました。厚みのある昆布は噛むほどに濃厚な味で、おにぎりや即席漬けに合います。

汐吹昆布 写真提供:川口屋薫

そのまま京都御苑近くの昆布屋さんまで足を延ばしました。後亀山天皇から屋号を賜り宮中に仕えていた長い歴史があるお店です。

松前屋「志ばの戸」 写真提供:川口屋薫

5年寝かせた昆布に味を加え、さらに1年かけて熟成させた塩昆布とおぼろ昆布を重ねたものに、溶かした砂糖が衣のような昆布菓子を買いました。塩昆布はそのままいただける上品な味わいで、甘い昆布菓子は口の中で繊細に溶けていくような軽い食感。職人さんの丁寧な技が光る老舗の味でした。

松前屋「比呂女」 写真提供:川口屋薫

最後に新しい佃煮をご紹介します。一般的には乾燥した昆布で作られますが、こちらは生昆布を使うので独特の弾力とフレッシュな食感が特徴です。生産者の高齢化や担い手不足の課題に取り組み、乾燥や選別などの生産者の労働負担に取り組む食品メーカーさんが作りました。こちらはスーパーなどのお店に並んでいます。

生昆布の佃煮 写真提供:川口屋薫

昆布の生産量は、地球温暖化の影響により年々減少しています。高温耐久性がある品種改良などの研究もされています。こうした様々な分野の方々により、千年以上の歴史を持つ昆布の文化と未来を守る活動が実を結ばれることを願いながら、感謝して昆布をいただきたいと思います。

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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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