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緑豆ぜんざいのすすめ

旬のもの 2025.08.17

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蒸し暑い夏を、やさしく整えるおやつ

暑さに体も心もぐったりしていませんか?
じとっと湿気がまとわりつくこの季節、「なんだかだるい」「やる気が出ない」「食欲も落ち気味…」という方も多いのではないでしょうか。
そんな時こそ、東洋の知恵をおやつに借りてみましょう。

それが「緑豆ぜんざい」。
夏の薬膳として、とても頼もしい一杯です。

緑豆ってどんな豆?

中医学では、緑豆(りょくとう/りょくず)は「甘味」「寒性」をもつ食材として、暑さでこもった“熱”をとり、身体の中をすっきり整えてくれるとされています。

•清熱解毒:ニキビや口内炎、のぼせ、夏バテなどこもった“熱”を減らしてくれます。
•消暑利尿:暑さと湿気で乱れがちな水分代謝をととのえ、むくみや食欲不振を軽減します。

つまり、蒸し暑い国で緑豆が親しまれてきたのは、ちゃんと理由があるんですね。台湾や東南アジアの人たちが夏に食べている姿、今ならちょっと納得できるかもしれません。

緑豆ぜんざいってどんな味?

「ぜんざい」というと冬のこってり甘いおやつを思い浮かべる方もいるかもしれません。でも実は、緑豆でつくるぜんざいは、あっさりした甘さで、暑い日にぴったりです。

今日は、ナツメと白玉を加えた、やさしい甘みの緑豆ぜんざいをご紹介します。

【レシピ】ナツメと白玉の緑豆ぜんざい

〈材料/2〜3人分〉
• 緑豆 100g
• ナツメ(乾燥) 4~5個
• 白玉粉 50g
• 水 800ml程度
• きび砂糖または黒糖 大さじ2~3(お好みで)
• 塩 ひとつまみ

〈作り方〉
1. 緑豆を戻す
 軽く洗って2~3時間ほど水に浸けておきます(そのまま煮てもOK)。
2. 豆を煮る
 鍋に緑豆と水、ナツメを入れて中火で30~40分。やわらかくなるまで煮ます。
3. 味をつける
 砂糖と塩を加えて、さらに5~10分煮ます。
4. 白玉をつくる
 白玉粉に少しずつ水を加えてこね、丸めてゆでます。浮かんできたら冷水に取ります。
5. 仕上げ
 器に緑豆とナツメ、白玉を添えて完成。冷やしても、ほんのり温かくても美味しいです。

写真提供:櫻井大典

ナツメと白玉、それぞれの役割

ナツメは中医学で「補気血・安神(精神安定)・調和薬性」の作用があり、疲れやすい人、眠りの浅い人におすすめ。緑豆の“冷やす力”をやさしく和らげて、全体のバランスを整えてくれます。

白玉は腹持ちがよく、ちょっと疲れてエネルギーが切れてきたときに、ほんのりとした甘さで元気をチャージ。胃腸にやさしい甘さです。

こんな方におすすめ
• 暑さでぐったり、食欲がない
• 顔や足がむくみやすい
• ニキビや吹き出物が出来やすい
• のぼせるのに、汗が止まらない
• 夏の夜、眠りが浅い

緑豆ぜんざいは、そんな「夏バテ気味な体」をいたわるおやつ。
こもった熱を冷ましつつ、やさしく気と水分を補ってくれる、まさに“お腹の漢方”です。

おわりに

「おやつで養生」って、なんだかちょっと贅沢で、でもすてきな習慣だと思いませんか?

緑豆の効能を知ってからというもの、ぼくも夏になるとたまに食べたくなります。冷たく冷やしてもいいですし、夕食後に温かくして食べると、ぐっすり眠れます。

ぜひ、今年の夏は「緑豆ぜんざい」で、涼しくておいしい養生を始めてみてくださいね。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

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