こんにちは。料理人の川口屋薫です。
夏至を迎え、日に日に暑さが増してきました。夏のキッチンに立つのが、少々辛くなる季節でもあります。グツグツ煮える鍋から立ち上る湯気やコンロの熱で、汗だく状態になることもあります。そんな時は、レンチンで加熱調理したり、冷凍食品を利用しながら、調理の負担を軽くしてみると良いと思います。
無理をせず、料理を楽しんでください。
今日のお話は「もやし」です。さっと洗って包丁で切らずに使える手軽さと、すぐに火が通り短時間で調理が出来るので、夏のキッチンに優しい野菜です。
もやしの漢字は「萌やし」で、発芽させるを意味する「萌やす」が由来となっています。遥か昔は薬用として利用されていたそうで、明治時代に入ってから現在のもやし栽培が盛んになってきたと言われています。広義では、かいわれ大根やブロッコリー、レッドキャベツ、クレソンなどのスプラウトと呼ばれているものも仲間に入ります。
もやしの種子は主に3種類あり、大豆は「豆もやし」で、豆が大きく、しっかりした歯ごたえです。ナムルやビビンバなど韓国料理でよく使われています。緑豆は「緑豆もやし」で、軸が太いため水分が多く、ケツルアヅキ(毛蔓小豆)は別名「ブラックマッペ」と言い、軸が細く甘みがあり、両方ともよく出回っているお馴染みのもやしです。
珍しいもやしは、青森県や山形県で温泉の熱を利用して発芽させた「温泉もやし」で長さは40cmもあるそうです。埼玉県の「深谷もやし」は、もやしの茎の長さと同じくらい根があり、根からもいい出汁が出るそうです。
白くて細い姿からは想像しにくいですが、種子である豆にはタンパク質、脂肪、デンプンなどの高い栄養素を含んでいます。さらに発芽して成長していく過程で別の栄養素(カルシウム、ビタミンC、カリウムなど)が加わっていくそうです。
最近寝不足で少し疲れ気味の私は、もやしを使った料理で疲労回復した方が良さそうです。
もやしと旬の野菜を合わせた料理がポツポツと浮かんできました。
もやしととうもろこしの酢の物、もやしとピーマンの炒め物、もやしと茄子の味噌汁に…
そう言えば数年前の沖縄出張の際、道の駅でもやしの量り売りをみて驚いたことを思い出しました。もやし入りソーメンチャンプルーにしよう。思い立ったら吉日です。
しかし、あれれ。素麺を切らしておりましたのでひやむぎに変更です。
シャキシャキもやし入りひやむぎチャンプルーは、私の新しい夏の風物詩になりました。
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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