今日のお話は「ゴーヤーチャンプルー」です。
沖縄の家庭料理から、全国の食卓で親しまれる夏料理へと広がりました。
私は大阪生まれ、大阪育ちですが、初めてゴーヤーチャンプルーを食べたのは大人になってからでした。
母が「苦味があるけど、沖縄料理を作ってみた」と食卓に並べてくれたのが最初です。一口食べて、その苦さに驚きました。
大阪市大正区は、古くから沖縄の文化が根付く地域として知られ、沖縄料理店もたくさんあります。本場のゴーヤーチャンプルーを食べた時、卵と鰹節、ポークランチョンミートの塩気が合わさった味わいが絶妙でした。
大阪の市場で、ゴーヤーを初めて扱った頃の話を聞いたことがあります。
珍しいと買っていただいたお客さん達からは「にっがいやんか!食べられへん」と怒られたそうです。
あの衝撃的な苦味ゆえに、売れない時代が続きました。
それでも市場の人は「いつかは広まる日が来るかも知れない」と仕入れを続けていたそうです。
ゴーヤーは、琉球王国時代に中国から伝わったと言われています。
「チャンプルー」は、島豆腐と季節の野菜を炒め合わせたものです。そこに、沖縄で古くから親しまれてきた豚肉、卵、鰹節などが加わり、「ゴーヤーチャンプルー」が広まっていきました。
戦後はアメリカから入ってきたポークランチョンミートも使われるようになりました。
沖縄の夏の暑い季節でも育つゴーヤーは、ビタミンCが多く含まれています。
夏バテしない健康な体づくりに欠かせない野菜です。
苦いけど美味しい。ではなく、苦いから美味しい。
山菜の苦味は「春を迎える野菜」だとすると、ゴーヤーの苦味は「夏を乗り切る野菜」だと思います。
今では、夏になると食べたくなるゴーヤーチャンプルー。
簡単に短時間で作れて、栄養たっぷりの心強い一皿。
玉ねぎ、人参など具沢山にしても良いですし、ニンニクや生姜の薬味を効かせて自由にアレンジもできます。
ゴーヤーチャンプルーの懐の深さが、全国の食卓へ広がっていった理由なのかもしれません。
私は豚肉かポークランチョンミートを、その日の気分で選びます。豆腐は手でちぎると味の馴染みが良いですが、包丁で切って、炒めながら軽く潰すのが私流です。
よかったら作ってみてください。
ゴーヤーチャンプルー
材料(作りやすい量)
•ゴーヤー 1本
•ポークランチョンミート 1缶
•木綿豆腐 1丁
•卵 2個
•油 大さじ1
•醤油 大さじ1
•だしの素粉末 小さじ1
•鰹節 お好みの量
作り方
①木綿豆腐はキッチンペーパーに包んでザルに入れ、上から皿など重しになるものを置いて、1時間置いて、水切りします。
②ゴーヤーは縦半分に切ります。スプーンで種とワタをとった後、輪切りにします。
③フライパンに油をしいて、切った豆腐に焼き色が付くまで焼きます。
④豆腐を取り出して、ゴーヤーと細切りにしたポークランチョンミートを入れて炒めます。
⑤軽く火が通ってから、豆腐を戻して、醤油、だしの素を加えて炒めます。
⑥溶き卵を入れて、軽く混ぜ合わせ、火を止めます。お皿に盛り付け、鰹節をふりかけます。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
