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そぞろ旅〜岐阜県多治見市の旅|第2回「美濃焼とタイル」

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やきもののまち・岐阜県多治見市をそぞろ歩く旅。

前回の特集に続き、今回はこの地の文化を形作ってきた「美濃焼」と「タイル」を簡単にご紹介します。器とタイル、それぞれに息づく"ものづくり"の魅力に触れていただけたらと思います。

第2回「美濃焼とタイル」

千年の歴史をもつやきものの里

岐阜県多治見市は、日本有数の陶磁器の産地。なかでも「美濃焼(みのやき)」は、千年以上の歴史をもち、今もなお暮らしに寄り添う器として親しまれています。

その始まりは、平安時代末期から鎌倉時代にかけてといわれています。山あいの窯で生まれた「灰釉(かいゆう)」や「鉄釉(てつゆう)」のうつわが、美濃焼の原点です。当時の人々は、自然の中から手に入れた素材を用い、丁寧に器を作っていました。そんな素朴で力強い器たちは、時代を超えて今に伝えられています。

室町時代から桃山時代にかけては、茶の湯文化の影響を受け、「瀬戸黒(せとぐろ)」「志野(しの)」「織部(おりべ)」といった個性豊かな様式が次々と生まれました。
とくに「志野」は、日本で初めて白い化粧土(けしょうど)と釉薬を用いた焼きものとして知られ、柔らかな白地に滲む赤みが、あたたかみのある表情を見せてくれます。一方「織部」は、鮮やかな緑釉と大胆な絵付けが特徴で、当時の前衛的な美意識を今に伝えています。

これらの美濃焼は、実用性と芸術性を兼ね備えた器として、今も多くの人に愛されています。

日常の器から、タイルへ

江戸時代に入ると、美濃焼は日常使いの器として庶民の暮らしに広まりました。茶碗、湯呑み、鉢など、家庭で使われる器の多くがこの地域で作られていたのだそう。明治時代以降、機械化や大量生産の技術が導入され、多治見は実用陶器の一大産地へと発展してゆきます。

そんな焼きものの技術は、やがてもうひとつの文化へと繋がることに。それが「タイル」です。
美濃焼で培われた粘土の扱いや焼成技術、釉薬による色彩の工夫は、そのままタイルづくりにも応用されていきました。さらに、図案や模様といった装飾技術も融合し、美濃タイルならではの表情豊かなデザインが生まれてゆきます。

美濃タイルの魅力と風景

昭和初期、多治見ではモザイクタイルや釉薬タイルの生産が盛んになり、台所や浴室、玄関まわりなど、日常のあらゆる場面に使われるようになります。
特に釉薬タイルの質感や発色は、美濃焼の伝統が息づいたもの。見た目の美しさだけでなく、手触りや表情にもどこかぬくもりを感じさせてくれます。

当時の建築には、美濃タイルがふんだんに使われ、現代でもレトロな風合いのまま保存されている建物を見ることができます。近年では、古いタイルを再評価する動きや、リノベーションの素材としての人気も高まっています。お洒落なお店に入ったら、カウンターがタイル貼りで「かっこいい」と感じたことも。

今も多治見の町を歩けば、古い商店の壁やまちなかのオブジェ、トイレなど、タイルがひっそりと街の風景に息づいているのを見つけることができます。やきものの文化が、暮らしの景色に溶け込んでいるのですね。

ミュージアムで出会う、「やきもの」の記憶

そんなタイル文化の魅力を体感できるのが、第1回でもご紹介した「多治見市モザイクタイルミュージアム」。
まるで山の断面のような建物の中には、懐かしさと新しさが混じりあう、美しいタイルの展示が広がっています。

モザイクタイルミュージアムでは、美濃タイルの歩みや、デザインの多様性、そして暮らしに寄り添うものづくりの姿勢をじっくりと味わうことができます。多治見に行かれる際は、ぜひとも立ち寄っていただきたい場所のひとつです。
市内ではタイルを使った景観整備や、公共施設・商業施設への装飾活用も盛んで、地域の文化として受け継がれています。この土地の技術と美意識が、時代を越えて今もなお息づいていることを感じさせてくれます。

器とタイルが語る、ものづくりの歴史

器とタイル。一見異なるもののようで、どちらもこの土地の「土」と「火」が生み出した「やきもの」の形。
多治見を歩けば、道ばたの壁や店先に見られるそれらの歴史が、静かに語りかけてくれるかのようです。

「やきもの」の街が育んだ、器とタイルのふたつの物語。どちらも、暮らしをあたたかく支えてくれる美しさをたたえています。

お土産の「おすそわけ」

多治見の伝統的な米菓「たじみあられ」

今回のそぞろ旅のお土産に、「たじみあられ」を買って帰りました。たじみあられは、岐阜県多治見市で作られている伝統的な米菓。その中でも、「村瀬のたじみあられ」さんのたじみあられを選びました。一般的なもち米ではなくうるち米を使うことで、他にはない軽い食感を生み出しています。

この「たじみあられ」を、少しだけ「おすそわけ」できればと思います。参加方法を下に書かせていただきましたので、ぜひご参加ください。

「おすそわけ」の参加方法

  • 暦生活の公式X(@543life)をフォローしてください。
  • この記事を読み、感想をXでポスト。その際、ハッシュタグ「#暦生活のそぞろ旅」を付けてください 。
  • 2025年6月10日〜7月10日までにポストいただいた方の中から、抽選で10名様に「たじみあられ」をおすそわけ(プレゼント)いたします。
  • 抽選により当選された方には暦生活の公式X(@543life)からダイレクトメッセージをお送りいたします。

当選された方には、商品発送のため、以下のフォーム(暦生活公式サイトの新規会員登録)よりご入力をお願いさせていただきます。(ダイレクトメッセージでもご案内いたします)

※商品の代金や送料は全て当社が負担いたします
※「たじみあられ」の賞味期限は2025年11月10日になります

そぞろ旅〜岐阜県多治見市の旅

岐阜県多治見市・七窯社のおすすめ商品

七窯社(ななようしゃ)さんのアクセサリーを少しだけご紹介します。詳しくはそれぞれのリンク先からぜひご覧ください。

釉薬の表情が美しいペンダント「とろり」

七窯社ならではの技術で、一点一点丁寧に仕上げられた陶器製のアクセサリー。釉薬がトロッと溶けた美しさや、混ざり合う揺らぎ。そんなアトリエでしか味わうことのできない感動を、アクセサリーに閉じ込めました。

耳元を上品に彩る青い輝き

「青星」と名付けられた深い青色は、静かな夜の空のようにも、遥か彼方の宇宙のようにも感じられます。金具部分はゴールドで、釉薬のきらめきをより際立たせてくれます。

自然の中に溶け込むようなペンダント「海」

まるで深い海の世界を映し出したようなペンダント。美濃焼の産地、岐阜県多治見市にある七窯社と、陶芸作家 梅澤 真那さんのコラボ商品です。

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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