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土用凪どようなぎ

季語 2024.08.01

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こんにちは。気象予報士の今井明子です。
夏本番ですね。うだるような暑さに、体調を崩す人もいるかもしれません。今は、ちょうど土用の時期です。土用とは本来は立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間を指しますが、今、最もよく知られているのは7月19日から、8月初旬の立秋までの時期にあたる「夏土用」です。

まさに夏真っ盛りのこの時期の季語に、「土用凪」というものがあります。凪とは漢字が示す通り、風が全く吹かない状態のことです。通常だと、凪は海風と陸風が交代する朝と夕方の無風状態を指すのですが、土用凪ではこの時期の凪の時間帯を指すこともあれば、無風の状態のことを指すこともあるようです。そもそも季語なので、科学的な厳密な定義はなく、「真夏の風のない蒸し暑い状態」を指すのでしょう。

この時期は強烈な太陽光線は降り注ぎ、街を歩くとアブラゼミのBGMと相まって、まるで自分がアスファルトで焼かれる焼肉になったかような錯覚を覚えます。体のまわりは熱気に囲まれ、汗はとめどなく流れ落ちます。風を求めてうちわであおごうとしても、腕を動かせば、さらに体が熱くなります。そんなこの季節のどうしようもない暑さを「土用凪」はうまく言いあらわしているのではないでしょうか。

近年では、ヒートアイランド現象や気候変動の影響で、真夏の外出は命の危険を感じるほどの暑さです。うまく休憩しながら、なるべく暑さがひと段落した夕方に外出できるようにして、この暑さをやり過ごしたいものだと思います。

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今井明子

サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。

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