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十日戎とおかえびす

暦とならわし 2021.01.10

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

お正月の雰囲気も落ち着いてきて、心の面でも少しずつ、日常の生活へと戻りつつあるこの頃ですね。
そんな1月10日には、例年、関西圏を中心としたいくつかの神社で「十日戎(とおかえびす)」と呼ばれる神事が行われています。

皆様は、七福神の一柱であるエビスさまについて、ご存知でしょうか?
某ビールのパッケージでも、鯛と釣り竿を抱えて満面の笑みを浮かべているお姿が描かれていますが、あの御方がエビス神という神様です。
日本の神様は、複数のお名前を持っていらっしゃることが多いのですが、このエビスさまも「恵比寿・恵比須・戎大神(えびすおおかみ)・西宮大神(にしのみやおおかみ)・蛭子命(ひるこのみこと)」などと言った別称があります。

エビスさまは七福神の中でも「財福の神」として知られているので、商売繫盛を願う商業関係者の間で特に信仰されています。
その他にも、鯛と釣り竿を持っていることから「海の神」「漁業・水産業・交易の神」としても広く親しまれています。

十日戎とは、このエビスさまをお祀りする神社で行われる神事。
このお祭りは「日本三大えびす神社」である、大阪・今宮戎神社、兵庫・西宮神社、京都・ゑびす神社を中心に「えべっさん」と呼ばれ、特に西の地域で賑わいを見せています。

特に有名な光景は、10日の早朝に兵庫・西宮神社に参拝者が集い、6時になった瞬間に一斉に表門から走って参拝し、1番から3番目に到着した人がその年の「福男(女)」としてお祝いされるという様子なのではないでしょうか。

十日戎は毎年、1月9日の「宵戎(よいえびす)」から始まり、10日の「本戎(ほんえびす)」、11日の「残り福」で3日間のお祭り。
参拝者は福笹を授かり、その枝先に鯛・小判・俵・打出の小槌などといった、さまざまな縁起物を付けていきます。
これを神棚に飾って、毎年新しいものに取り換えるようにすると、福を授かることができると伝えられています。

関東圏は、同じく商売繫盛を願う神事として有名な「酉の市」が盛んですが、関西圏はこの「十日戎」が有名です。しかし、残念ながら2021年はコロナ禍の影響で、この十日戎も縮小が余儀なくされてしまいました。

昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策から、多くのお祭りや催し物が縮小・延期・中止になっていますね。
私たちは、またいつか素敵な日本の伝統文化を復活させることができる日が来ることを願い、前を向いて歩き続けることが大切です。

コロナ禍では、多くの商業関係者が依然として苦しい状況を強いられておりますが、こんな時だからこそ祈りの心を忘れずに過ごしましょう。
実は福笹は竹の一種で、竹は古くから生命力や根強さ、苦難に耐え忍ぶ力を持った神聖な植物とされてきました。そう考えると、今こそこのエビスさまの御神徳にあやかるべき時なのかもしれません。

ぜひ、お近くの神社で「エビスさま」を見かけた際にはご参拝いただき、商売繫盛の御神徳を授かっていただければと思います。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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