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祈年祭きねんさい

暦とならわし 2024.02.17

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

皆様は、「きねんさい」と聞くと、パッと頭にどの漢字を想像されるでしょうか?
恐らくは、一般の多くの方が、会社や学校などの創立記念祭といった「記念祭」の方を思い浮かべるのではないでしょうか。

でも、毎年2月17日に宮中や全国各地の神社で行われているのは「祈年祭」と書いて、別名を「としごいのまつり」とも呼んでいます。
これは文字通り、田植えを前にしたこの季節に「その年の豊穣を神様にお祈りするお祭り」のこと。

11月23日に行われる、「その年の豊穣を神様に感謝するお祭り」の新嘗祭(にいなめさい)とは、対になっています。
これらは、神道の世界ではとても大切な祭祀であり、大中小に分類された祭典の中でも「大祭」に数えられています。

古くから稲作をはじめとする農耕を通じて発展してきた日本民族の私たちにとって、「豊穣」や「収穫」など、農業に深く関係しているお祭りは切っても切り離せないもの。

現代の日本では、農業があまり身近に感じられない暮らしをしている人も、決して少なくないでしょう。
しかし、日々食べ物を口にしながら生きている以上、「作物の豊かな実り」に無関係な人はいないはず。
そしてある意味では、五穀豊穣以外にも諸産業の発展や家運隆昌など、私たちの人生にとってもさまざまな「実り」を祈る、良いきっかけになる日と言えるかもしれません。

対になる「祈年祭」と「新嘗祭」の関係性は、言うなれば「願い・祈り」に対しては必ず「御礼・感謝」を忘れずに行うということの、日本文化における礼節の現れでもあるのではないでしょうか。

神社に足を運ぶとき、私たちはどうしても「〇〇してほしい」「××になりますように」などと、生きる中での願い事を伝えることに一生懸命になりがちかもしれません。
でも実は、日本に深く根付いた神道の精神は「祈り」と同じくらい「感謝」の大切さを伝えています。

日々、どんなに小さなことでも「ありがたいな」と喜び感謝できる心がなければ、私たちが幸せを感じることは難しくなってしまいます。
私はいつも、幸福を掬い上げる網の話で例えるのですが、この網の目が大きい人は特大の幸せにしか喜ぶことができませんから、いつもどこか「不幸だな」と感じやすいわけです。
でも、この網の目を細かく細かくしていくことができれば、どんなに些細な幸せも掬い上げて喜ぶことができるので、心にはいつも「幸福だな」という想いが残ります。

目に見えない神様へと祈る神社参拝は、きっと私たちが、その網の目を細かくしていくことのできる習慣になるのではないでしょうか。
そしてその心は、人生の充実――「実り」にも繋がっていくはずです。

祈年祭が行われるこの日は、ぜひ身近な神社に足を運んで、今年一年がそれぞれの方にとって「実り」の多き年になりますよう、神様へお祈りしてみませんか?
そして、日々の恵みに対する感謝や、祈りが届いた時の喜びも、ぜひ素直な心で神様に届けて差し上げてくださいね。

写真提供:紺野うみ

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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