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事始めことはじめ

暦とならわし 2026.02.08

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暦の上では「立春」を迎えましたが、まだまだ寒い日が続きますね。
外に出ると吐く息は真っ白、身体も冷えるので、休日は家に篭りがちになってしまいます。

年始に「今年こそは!」と目標をいろいろと立てるものの、寒さのせいなのか、なかなか進みません。「春になったら始めよう」と先送りするのがすっかり恒例になっていて、きっと同じ境遇の方も多いのではないかと思います。

そんなみなさまや私にご紹介したい習わしが、「事始(ことはじ)め」です。

事始めとは、12月8日と2月8日を節目とする伝統行事で、「事八日(ことようか)」とも呼ばれます。「事」とは、祭事や年中行事、農作業など、人々が生活のなかで行う営みのこと。昔の人はこの「八日」を一区切りと考えて、この日に新しいことを始めたり、納めたりするのがよいとされてきました。

12月8日と2月8日の「事始め」はそれぞれ意味が異なりますので、ご紹介しますね。

12月8日は、正月を迎える準備を始める日で、この日から煤払い(大掃除)や松迎え、餅つきなどの準備を少しずつ始めます。江戸時代に12月13日が「正月事始めの大吉日」として広く定着したことから、現在では12月13日が主流になりましたが、12月8日を「事始め」として大切にする地域も残っているといわれています。

一方で2月8日は、一年の仕事、とくに種まきなどの農作業を始める日とされ、春に向けた準備を進める節目の日でした。

この二日はワンセットで考えられていて、どちらかを「事始め」、どちらかを「事納め」としており、地域によって異なります。一般的には、「12月8日を事納め、2月8日を事始め」とすることが多く、関東地方などではその逆のところもあるそうです。

また、事始めに「針供養」をしたり、「お事汁(味噌汁)」を食べて健康を祈ったりする風習も一部地域では残っています。このことからも、昔の人々は一年の区切りをとても大切にしていたことが伝わってきますね。

さて、私はこの文章を書きながら、自分なりの「事始め」を考えてみたのですが...
今年は「会いたい人に会いに行こう」と決めました。

また会えるだろうと思って、先延ばしにしていたことがこれまでにたくさんありました。「いつか」と思っていたら実現しないまま、もう会えなくなる。そんな出来事が毎年少しずつあって、その度に小さな後悔が積み重なっていきました。ある人の顔が思い浮かんでは、目の前の忙しさに流され消えて、また思い浮かんで...の繰り返し。

だから今年は、思い立ったときにしっかり行動できる人でありたいなぁと思っています。実際に会えなくても手紙を書いたり、電話やメールをしたり。ささやかな行動でも、お互いの心がふっと軽くなるものだなぁと思うのです。

農作業でいう「種まき」のように、しっかり時間をかけて土を耕し、肥料を蒔き、良い土づくりをしておく。
来年の2月8日はまた良い状態で「種まき」ができたらいいなぁと思います。

みなさんはどんな「事始め」をしますか?
もうすぐやってくる春へ向けて、家に篭りながら少しずつ、準備をしていきましょう。

※ 参考文献

書籍:新村 出『広辞苑 第三版』 岩波書店(1983年)

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高根恭子

うつわ屋店主
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。

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