◎大雪 12月27~21日 スイセンとタゲリ
12月、もう師走とは。そんなバカな、と思うくらい今年はまたいちだんと月日の経つのが速く感じられました。年々その思いは募るばかり。年末が、ひたひたと近づいて来ています。あゝオソロシイ。
二十四節気も大雪となり、もう高い山はすっかり冠雪、平地でも場所や天候によっては積雪になることも。本格的な冬です。暦は仲冬にはいりました。空は低く雲が垂れ込め、熊は冬眠にはいり、サケの群れが故郷の川を遡上して来ます。
もう年迎えの準備は進んでいますでしょうか。煤掃きに年賀状の準備、来年のカレンダーも揃えなければ。気が急くばかりで、なかなかどうも整わない。
さて、このころ稲刈りがすんだ田んぼに姿が見えるのは、冠羽も立派なタゲリです。チドリ科特有の顔が愛らしく、高脚でトコトコ歩き回っています。冬鳥として渡来するこの鳥は、キジバトくらいの大きさ。水辺や畑でもその姿が見られるでしょう。
スイセンの中でも早咲きのニホンスイセンは、もう咲き始めるころ。各地に名所があり、見頃には多くの人出があります。スイセンの甘い香りに包まれて、ただただうっとりするばかり。
用事ばかりが山積みでてんてこ舞い。でもそんなときだからこそ、部屋に一本だけでもスイセンの花を飾るのはいかがでしょう。花の名所に行けなくても、凛とした白い花とその芳香に、元気づけられること請け合いです。年越しの準備も捗るはかどる。

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
