◎小寒 1月5日~19日 「フクジュソウとキジ」
小寒、寒の入りです。真冬。一年で最も寒いときです。大寒が寒さの極とされていますが、実際の気候では小寒の節の冷え込みがいちばん厳しく感じられます。寒風が吹き、雪が降り。さらにバケツの水は結氷、地面には霜柱。あ~寒い。
小寒から4日目を「寒四郎」、9日目を「寒九」と呼んで昔の人は天候に気を配っていました。寒四郎は「麦作の厄日」として恐れられ、寒九の雨は豊作の兆しといって喜ばれたそう。今年の寒四郎は1月8日、寒九は13日です。
さて、このころキジが鳴きはじめます。七十二候では、小寒の末侯が「きじはじめてなく」。雉の声が近くで聞こえると、「ああ、真冬になったなあ」と確かに思います。けれど、たまに寒中になるまえ、まだ年越しもしていないころに「ケンケーン」とキジが鳴いていると、「キジ君、まだ早いぞよ。暦を見たまえ、暦を」と思ってしまうことも。まあキジに暦は関係ないのでしょうが。
キジは大きな鳥で、しかもオスは色鮮やかで尾が長い。たいへん華麗な姿です。キジの鳴き声の大きさから「雉も鳴かずば撃たれまい」という諺がありますが、そもそもキジはいるだけで目立つので、鳴く前から狙われやすい。因果なことです。
さて、寒さの厳しいこのころは咲く花も少ないのですが、みごと明るい色の花を咲かせるのがフクジュソウです。「福寿」とはなんとも縁起のいい名前をもらったものですが、花はその名に負けないだけの福福しさがあります。お正月の花として愛されてきました。
そして1月7日は人日の節句。この日の朝は七種粥をいただきます。まずは土鍋でゆっくりとお粥を炊きましょう。しかるのち、まな板で大きな音をさせながら七種を刻んでお粥に混ぜます。太い粥箸があれば気分も盛り上がるというもの。ではでは、今年一年の無病息災を祈って、いただきます。
イラスト提供:平野恵理子

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
