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梅雨寒つゆざむ

旬のもの 2021.06.24

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こんにちは。気象予報士の今井明子です。

まだまだ日本の多くの地域で雨の季節真っただ中ですね。

この季節、晴れの日は蒸し暑く、雨の日は肌寒い日が続きます。特に東日本では、梅雨入り前は半袖で過ごしていた日もあったのに、梅雨空になると急に肌寒くなって長袖を着ることも決して珍しくはありません。このような梅雨時のヒンヤリした空気のことを「梅雨寒」といいます。

確かに雨が降れば太陽が照りつけないので暑くならないのは頭ではわかっています。だとしても、雨の日があまりにもヒンヤリしすぎだと思いませんか? 

これは、梅雨が二つの高気圧が隣り合うことで発生する現象と関係があります。

まず、梅雨どきには南には高温多湿な夏の空気で構成された高気圧があります。ご存じ、太平洋高気圧です。では、北側はというと、冷たい空気でできた高気圧が存在しています。

この二つの気温の違う高気圧が隣り合ったところに梅雨前線ができ、前線の場所で雨が降るのです。そして、梅雨寒は梅雨前線の北側の高気圧を構成している冷たい空気のしわざです。だから、肌寒い雨の日が続くというわけですね。

なお、梅雨前線は徐々に北上していくわけではなく、日によって位置が南北に変動します。梅雨前線の位置によっては、梅雨前線の北側にある乱層雲(雨雲)由来のしとしととした雨が降る梅雨寒の日もあれば、南側の積乱雲(雷)がもたらす激しい大雨の降る日もあります。さらに、梅雨の末期になると、梅雨前線の南側にある太平洋高気圧由来の蒸し暑い晴れの日も増えていきます。

日によって天気も気温も大幅に変わるので、体調を崩しやすいのがこの季節の特徴。初夏とはいえど、羽織物をしまいこむのは梅雨が明けてからにしたほうが安心ですね。

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今井明子

サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。

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