今年は梅雨が長かったせいか、時には暑さを助長させるイメージがあるアブラ蝉の声が心なしか嬉しいような気がします。
今回のお話は、旬のピーマン。子どもの苦手な野菜、苦い野菜のイメージが定着していますが、変わるかもしれません。少しずつアップデートを重ねているようです。
一般的なピーマンは熟す前の実です。比較的栽培しやすく、たくさん収穫できます。緑黄色野菜の代表で、栄養価に優れていながら、コスパの高い野菜です。さらに軽いので、買い物の負担になりませんし、冷蔵保存でわりと日持ちします。
いいことずくめのピーマンですが、子どもの味覚センサーは、苦みを毒と感知してしまいます。本能的に、防御している正しい反応なので、ピーマンには気の毒ですが、子どもの苦手な野菜になってしまうのも仕方がありません。
その苦みを和らげようと品種改良を重ねてきました。昔は苦かったと感じる方もおられると思います。話題になった冷やしピーマンは、生でおいしく食べる方法です。タッパーに切ったピーマンと氷をいれて、時々溶けた水を捨て、新しい氷を足し、塩を少しいれて、冷蔵庫で2晩置くと、パリパリの食感が際立ちます。
カラーピーマンも混ぜると、見た目も鮮やかです。ツナ1缶、茹でたホワイトコーン1/2本、マヨネーズ大さじ1、塩、こしょう少々を混ぜ合わせたものをのせて食べると、ホワイトコーンの甘味とツナの強い味が、いいアクセントになりました。
カラーピーマンは、色によって完熟するスピードが違います。そのため、収穫のタイミングを合わせる技術が難しく、収穫までの期間が長くかかるなどの理由から価格はやや高めですが、甘さとコクとピーマンの香りをふんわり感じます。
この香りがピーマンの苦味成分に関わっています。渋みを感じるポリフェノールの一種「クエルシトリン」と香気成分「ピラジン」が合わさって、苦みを感じるそうです。ピーマンの苦手な子どもたちをなくしたいと開発された「こどもピーマン」の成分を調査したときに解明されました。
調理法で苦味を抑えることもできます。あまり切らない方がピーマンに含まれている水分を逃がさず、食べた時にその水分が苦味成分を流すような役目をします。輪切りより、縦切りにすると苦味成分があまり出ません。焼いたり、揚げたりすると、辛味や青臭さが抜けます。
大人になると苦味も魅力ですが、子どもの味覚を少しずつ育てることも大人の役割ですね。
さっと出来て、冷めてもおいしくいただける料理をイタリアンで作ってみました。
ピーマンにソーセージの塩気とトマトの旨みがよく合いました。いかがですか?
ピーマンとソーセージのトマト煮
材料(2人前)
・ピーマン 4個
・オリーブオイル大さじ2
<A>
・湯むきトマト50g ・ソーセージ4本 ・バジル2、3枚 ・コンソメキューブ1/4個 ・醤油大さじ1 ・白ワイン大さじ1 ・水大さじ1 ・蜂蜜また小さは砂糖じ1/4
作り方
① 洗ったピーマンのへたと種をとり、1/4の縦切りにします。オリーブオイルを入れて、軽く熱したフライパンにピーマンを入れて、軽く焦げ目がつくまで中火で焼きます。
② <A>の材料を全て入れて、3分煮て完成です。
ポイント
・油がはねないように、洗ったピーマンについた水気をキッチンペーパーでふき取ると調理しやすくなります。
・あらかじめソーセージをボイルするとジューシー感が増します。
・湯むきトマトは種を取り除いたほうが、口当たりがよくなります。
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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