こんにちは、ライターの高根恭子です。
12月に入るといよいよ寒さも本気モードに突入。
ストーブやエアコン、こたつに湯たんぽが手放せなくなる季節がやってきました。
暖をとることで、冷え切った身体がジワワーッとあたたまっていく..。寒いのは苦手ですが、こうして身体がほぐれていく瞬間が毎回たまらなく幸せだなぁと感じます。
幼い頃、暖をとる方法でとくに記憶に残っている思い出は「焚き火」です。
年末年始になるとご近所さん同士で神社に集まり、催しものの準備などをしていたのですが、広場の中央には決まって焚き火がありました。
真っ暗なところで、パチパチと音を立てて赤く燃え続ける炎。
吸い込まれるようにワラワラと人が集まってきて、焚き火の周りにはいつも大きな人の輪ができていました。だんだん目が慣れてくると向かい側の人たちの顔が見えてくるのですが、ほのかに赤く染まる様子がおもしろくって。みんな酔っ払っているみたいだなぁなんて思いながら、焚き火にあたるのを楽しんだものでした。
焚き火を見ながら、甘酒を飲む時間も贅沢なひとときでした。
大きな寸胴鍋に、大人たちが仕込んできた甘酒が湯気をたててたっぷり入っている。まだお酒が飲めないお年頃であっても甘酒は許されたものだから、大人になった気分で心も身体もポカポカになったものでした。
焚き火といえば童謡「たきび」のメロディが頭のなかで流れてきます。
かきねの かきねの まがりかど たきびだ たきびだ おちばたき <引用:『たきび』歌詞より>
この記事を書きながら久しぶりに口ずさんでみたのですが、懐かしい情景が思い出されるようで、改めていい歌だなぁとしみじみしてしまいました。
中でもとくに、「あたろうか」「あたろうよ」の部分。1番、2番、3番、すべてに入っている言葉なのですが、このやり取りが入るだけでぐっと哀愁が増すなぁと思います。
きたかぜがぴいぷう吹いたり、手がかゆくなるほどのしもやけになったり、こがらしが吹く道を歩きながら、「たきび」に出合っていく。
いまは防火の観点からあまり気軽にできるものではありませんが、ひと昔前までは落ち葉を使って色んなところで焚き火はされていたのかなぁ、と。
火に向けて手をかざしながら、ご近所同士でたわいもない話をしていたのかなぁ、などとこの歌から想像が広がっていくようです。
みなさんも、もしお近くで焚き火があったらぜひ体験してみてほしいなぁと思います。身体があたたかくなる以上の、うれしいご褒美が待っているかもしれません。
高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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