こんにちは。和菓子コーディネーターのせせなおこです。
さぁ!新しい年がやってきました。年末までは「わー!今年も終わってしまう!あっという間!!!」と慌てて焦ってばかりなのに、年が明けると、それだけで「よーし、今年も頑張ろう!」と、すっきりと新しい気持ちになります。
日付が変わっただけなのに不思議だなぁと思いつつ、きちんと去年のやり残しも忘れてはいけないのですが…。
年末から年明けにかけて、干支のお菓子やおめでたい鯛に松、紅白のお菓子が販売されています。眺めているだけでうきうきしてしまいますよね。そして、新年のお菓子といえば、今回の主役「花びら餅」です。
花びら餅はうっすらとピンクが透ける白いお餅が半分に折りたたまれていて、お餅からごぼうがはみ出ているのが特徴です。
値段がちょっぴり高めなことや、「ん?なんでごぼう?」と疑問の多いお菓子で、昔はなかなか手が出せずにいました。しかし、ごぼうを含め、花びら餅の成り立ちを知ってから、毎年おいしく楽しめるようになりました。
花びら餅の起源を遡るとなんと平安時代に行き着きます。平安時代に行われていた、宮中行事“歯固めの儀”。歯の健康は長生きにつながるとされ、固いものを食べて歯を丈夫にすることで長寿を願うお正月行事でした。餅の上に赤い菱餅を敷き、その上にお肉や大根、鮎の塩漬け、瓜などをのせて食べていたものが少しずつ簡略化されていきました。
これが「宮中雑煮」と呼ばれ、花びら餅の元祖だと考えられています。特徴的なごぼうは鮎の塩漬けを表しているんだとか。余談ですが、歯は長寿の証、そのため歳を表す齢という漢字には歯の字が使われているんだそうです。
明治に入り茶道の初釜のお菓子として使われることが許されるようになり、現在では新年のお菓子として親しまれるようになりました。
お雑煮を和菓子で表現しよう!というちょっと斬新で、そして昔は限られた人しか食べることのできなかったお菓子「花びら餅」。誕生した由来を知ると、なんだか恐れ多くてとても食べられないぞ…と思ってしまうこともあるのですが、だからこそ、当時食べられなかった人の分までおいしく、楽しめるようになったらいいなと思います。
四国ではお雑煮にあん餅が入っているし、島根ではお雑煮といえばぜんざいで、あんこやお餅はお菓子としてではなく、食事として浸透している地域もあります。
日本にとって欠かすことのできないお餅文化。今年もたくさんのお餅や和菓子に出会えますように!これを読んでいるあなたの新しい年のスタートがきっと素敵なものになることを願っています。
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