今日のお話は「ずいき」です。

ずいきは里芋の葉柄のことです。中の断面はスポンジ状に穴があるので、食感はシャキシャキしているのが特徴です。
旬は夏で、和え物や汁物、煮物などの料理に使われます。また天日干しにしたものを「芋がら」と言い、水に戻して調理します。

ずいきは、主に赤、青（緑）、白とあります。

赤は「紅ずいき」と言い、大阪や愛知県などで栽培されています。アクが強く皮剥きするときに手袋をしないと、手に色素が付いて取れにくくなるほどです。

青（緑）は「ハスイモ」と言い、高知県や徳島県など主に四国で栽培されています。高知県では沖縄から伝わった説があり「リュウキュウ」と呼んでいます。ちなみに沖縄では、ずいきのことを「ムジ」と言います。

アクが少なく、クセのない味ですので、生でも食べることができ、塩揉みしたものを和え物にします。

白は「白ダツ」と呼ばれ、日光を遮断して栽培したずいきです。栽培に手間がかかることから、高級野菜です。

主要産地は愛知県で、大分県や奈良県などでも栽培されています。

京都の料亭をはじめ、日本料理屋さんで使われています。和え物、酢の物、煮物に使われています。

私が働いていた市場では、白ダツを扱っていました。薄い紙に巻かれ、別の紙に包まれ箱に入っていました。箱入り娘のような白ダツは高嶺の花で美しかったです。

白ダツは一般的なお店に並ぶことはほぼありませんが、時々お店に並ぶ千葉県柏市の特産の「根いも」があります。

こちらの旬は冬から春に出回るため、今は手に入りませんが、白ダツのように日光を遮断して栽培し、ずいきになる前の里芋の親芋から芽がでて伸びたものを収穫したもので、上品な味わいが楽しめます。

今日は紅ずいきとハスイモを使った2品をご紹介します。

紅ずいきは、アク抜きに少し手間がかかります。使い捨ての手袋をはめて、水洗いした紅ずいきの皮を剥きます。包丁の角を皮に引っ掛けるようにあてて、削いでいくと、カンナ削りのようにスルスルと皮を剥くことができます。

大きめのボールに水をはり、酢を大さじ2入れて、紅ずいきを入れます。浸す時間は、大きめの鍋に水を入れて沸騰するまでの時間でじゅうぶんです。

沸騰した鍋に、紅ずいきを入れて8分茹でた後、冷水に浸します。

紅ずいきをギュッと絞り、水気をきります。

ハスイモのアク抜きは簡単です。紅ずいきと同じように皮を剥き、水に5分ほど浸します。塩を少し入れた熱湯で2分茹でた後、冷水に浸し、ギュッと絞るだけです。

よかったら作ってみてください。

紅ずいきと牛肉の炒め煮

ハスイモとゆで鶏のピリ辛ソース

写真提供：川口屋薫