熊本県河内町で発見された果樹と、収穫時期が遅い晩生柑橘にちなんで名付けられました。また、いくつもの別名があり、ジューシーオレンジ、ジューシーフルーツ、サウスオレンジ、美生柑、愛南ゴールド、宇和ゴールド、天草晩柑、夏文旦などとも呼ばれます。

河内晩柑の旬は、主に初夏から盛夏にかけてです。
初春頃の収穫されたばかりの実は酸味が強く、食用には向いていないため、減酸と言って、一定期間低温貯蔵させて実に含まれている酸を減らしてから出荷します。早いものでは、晩春頃から出回ります。
冬も温暖な気候の産地では、河内晩柑を12か月から15か月の長い時間をかけて育てる、木成り栽培があります。木に実らせたまま完熟させてから収穫するので、減酸する必要がありません。雨風を受けて枝と実が当たってしまい果皮に擦れ傷や黒点がついたり、夏の高温により鮮やかな黄色の果皮に緑色が混ざったりすることがあります。少し残念な見た目になってしまいますが、自然の環境でたくましく育った証のような気がします。

「和製グレープフルーツ」とたとえられるほど、見た目と風味は似ていますが、グレープフルーツ特有の苦味はなく、たっぷりの果汁に酸味、甘味、旨味のバランスがとれた味と爽やかな香りは、暑い季節に清涼感を感じさせてくれる柑橘です。
私は、口の中ですーっと広がる、暑さに疲れた身体を喜ばせてくれるような甘酸っぱさが大好きです。出始めの頃は酸味が引き立っていますが、初夏から夏にかけては酸味と果汁が少なくなり、果肉が引き締まってプチプチ食感が際立ちます。
味わいが変化していくのも河内晩柑の魅力のひとつです。
先日、ひと月前に買って冷蔵庫で保存していたものと、買ったばかりの河内晩柑の食べ比べをして異なる風味を楽しみました。
今日のレシピは夏のおやつやデザートにおすすめの河内晩柑ゼリーです。材料は河内晩柑、砂糖、粉寒天、水で簡単に出来るのでよかったら作ってみてください。
河内晩柑ゼリー

材料
•河内晩柑 1個
•砂糖 40g
•水 300gー河内晩柑の果汁の重さ
•粉寒天 2g
作り方
①河内晩柑を半分に切ります。果肉部分にナイフで軽く十文字の切り込みをいれます。
②スプーンか指で優しく果肉を取り出して、ボールに重ねたザルの上で果肉を絞ります。
③果汁の重さを計り水を用意します。
300gー果汁の重さ=水の量
④小鍋に水と粉寒天をいれてかき混ぜながら温めます。沸騰後弱火にして約2分、粉寒天をよく溶かしてください。
⑤別の鍋に河内晩柑の果汁を入れて約1分、軽く温めてください。
⑥④に⑤を入れて混ぜ合わせます。粗熱が取れたら容器(河内晩柑の皮)に入れます。常温でそのまま置き、少し固まってから冷蔵庫に約2時間入れて冷やし固めたら完成です。
ポイント
•果汁の重さは大きさで変わりますが、1個で130gから180gほどになります。
•水の量
例 300gー果汁130g=水の量170g
300gー果汁180g=水の量120g
•器すれすれまでゼリー液を入れると、より見た目が良くなります

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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