こんにちは、昆虫写真家の村松です。
今回は国蝶としても有名なオオムラサキを紹介します。
オオムラサキは昭和32年に日本昆虫学会によって国蝶に選ばれました。
前年には記念切手のデザインにも採用されており、分布の広さや見た目の華麗さから選出された経緯があります。
見た目は華麗なのですが、大型のチョウで樹液にやってきた他の昆虫を羽ばたきで追い払ってしまうくらいパワフルな一面も持ちます。
そんな魅力の詰まったオオムラサキですが、生息地が減って見かける機会は多くありません。
幼虫の食草となるエノキはあちこちで見かけますが、成虫は里山や雑木林の環境を好み、クヌギなどから出てくる樹液にやってきます。
似た生態のゴマダラチョウは小さな雑木林でも見られるのですが、オオムラサキはより大型で年に一回しか発生しない昆虫ということもあり、適した環境がある程度広く残っていないとダメなのです。
里山と呼ばれる環境がたくさん残っていた時代にはとても身近な昆虫だったと思うのですが、今ではどこでも見られる昆虫ではなくなってしまいました。
紫色の模様がとてもキレイですが、実はオスだけの特徴です。
メスの羽は紫色にならず、一見しただけでは別のチョウと間違えてしまいそうです。
でも、地味な色彩の方が木に止まったときに見つかりにくく、天敵から襲われるリスクを減らして子孫を残すのに都合が良いのです。
オオムラサキは大型のチョウなので幼虫も大きいです。
6cmに迫る大きさまで成長するので、なかなかのボリューム感があります。
背中に特徴的な突起が4対あるのも格好良いですね。
大きな幼虫ですが、顔を見てみるとかなりキュートな印象です。
ツノのような突起が本来は武器にもなるのですが、なんともかわいい顔をしていて人気も高いイモムシなんです。
なかなか出合えないところも人気に拍車をかけている気がします。
冬は幼虫の姿で過ごします。
エノキの落ち葉の裏などでじっと春になるのを待っています。
管理された場所では落ち葉を回収することもありますが、すべてなくしてしまうと昆虫の住処がなくなってしまうということを覚えておきたいですね。
身近な昆虫も少しの環境の変化で見られなくなってしまうことがあります。
様々な生き物が、この日本でたくさん見られるように、周りの環境にも気を配っていきたいですね。
写真:村松佳優
※日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
