今日のお話は「白菜」です。
冬の食卓に欠かせない白菜ですが、意外にも日本での歴史は浅く、明治時代から栽培が始まりました。
原産地は諸説ありますが、科学者の調査によるとアフガニスタンとパキスタンの国境に近い山脈地帯だそうです。そこでは数千年前からカブの栽培が始まったそうで、後に中国でカブとパクチョイを交配させて白菜が誕生したとされています。白菜はアブラナ科の原種「Brassica rapa(ブラッシカ•ラパ)」という雑草の変種の1つで、日本原産の水菜や野沢菜も同類に入ります。
江戸時代後期に中国から日本に伝わったとされ、明治時代に東京で開催された展覧会では中国•山東省から「山東ハクサイ」が出展されたとか。
埼玉県などの関東地方や東北地方では、白菜によく似た「山東菜」の栽培が盛んですが、他の地域でも作られていて、「べかな」や「なっぱ」など地域によって呼び名もあります。「山東菜」は葉が巻かない白菜の仲間で半結球ですが、白菜は葉が層になり巻かれた結球です。結球は光の明暗を利用します。光が暗いと葉は立ち上がります。内側の葉は立ち上がった外側の葉に光を遮られるため、より立ち上がります。こうして20枚以上の葉が同じように繰り返していくことにより結球します。
若採りした「山東菜」を見かけたらぜひ味わっていただきたいです。黄緑色の葉はやわらかく、漬物、炒め物、煮物など色々な料理に使っていただけます。
白菜は人の手により様々な種類が作られました。例えば、江戸東京伝統野菜の1つ「下山千歳白菜」は1953年に種苗登録された一般的な白菜の2、3倍になる大型白菜です。病気に強く味が良い特徴があります。また北海道など雪国でもこのような大型白菜が作られており、漬物にして冬の保存食にしていました。私は11月の北海道で見る機会があり、ずっしりとした重さにとても驚きました。
働いていた市場では、片手で持てるほどの小さな白菜、「娃々菜(わわさい)」を扱っていました。フグ料理屋など、日本料理の引き合いが多かったです。また家庭でも買いやすく丸ごと使い切れることから、年々人気が高まってきました。
紫白菜の流通が始まったのは10年ほど前です。馴染みのある白菜だけに鮮やかな紫に染められた白菜には目が丸くなるほどの衝撃でした。茹でると色が抜けますが、酢や柑橘の絞り汁で色が戻ります。茗荷の甘酢漬けのように使われると良いと思います。紫白菜とミックスビーンズをマリネにしてパイナップルを添えると洋の雰囲気になりました。
今日のレシピはオレンジ白菜を4分の1切られているものを使った料理です。加熱すると心が暖まるような色になります。また、生で食べた時の優しい甘さは、フルーツの味を活かしてくれます。よかったら作ってみてください。
オレンジ白菜のスープ
材料(2人前)
•オレンジ白菜 1/4カット半分
•にんじん 1/2本
•じゃがいも 2個
•玉ねぎ 1個
•ソーセージ 2本
•鶏もも肉 1枚
•固形ブイヨン 2個
•塩小さじ1
•胡椒 少々
•水 600〜700cc
•乾燥ローリエ 1枚(無くても良いです)
作り方
①鍋に水を入れて4等分に切った鶏もも肉を入れて中火で茹でます。沸騰後、弱火にして3分茹でた後、鶏肉を取り出して器にいれます。
②野菜は大きめに切ります。
③お鍋に野菜、ソーセージ、ブイヨン、ローリエを入れます。中火で沸騰後、鶏肉を鍋に戻して、少し火を弱めて約10分煮ます。塩胡椒で味を整えたら完成です。
☆ポイント
ソーセージの代わりにベーコンでも良いです。
お好みのきのこ類を加えても良いです。
召し上がる時にオリーブオイルを少し垂らして風味を変えても良いです。
オレンジ白菜のフルーツサラダ
材料(2人前)
•オレンジ白菜 1/4カット半分
•柿 1/2個
•りんご 1/2個
A
•オリーブオイル 大さじ1
•レモンの絞り汁 大さじ1/2
•酢 大さじ1/2
•塩 小さじ1/2
•胡椒 少々
•蜂蜜 小さじ1
作り方
①水洗いしたオレンジ白菜の水気をキッチンペーパーでよく拭き取り、細切りにします。柿とりんごはお好みの大きさに切ります。大きなボールに入れます。
③小さなボールにAの材料を入れてよく混ぜ合わせます。召し上がる直前に①と軽く混ぜ合わせたら完成です。
☆ポイント
お好みでドレッシングにヨーグルトを加えても良いです。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
