こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。
5月も半ばを過ぎますと、植物たちの緑はより一層鮮やかに色を増し、まばゆい日の光を透かして葉を風に揺らす木々の姿は、ますます美しく感じられます。
今回ご紹介する美しい言葉は「新樹」。
初夏、5月頃を表現する季語でもあり、美しく萌える若葉を生い茂らせた木立のことを言います。
「新緑」は同じ時期によく使われる言葉ですが、この「新樹」は葉っぱだけでなく、樹木そのものから感じられる瑞々しさや生命力のようなものが伝わってくる、美しさと力強さを兼ね備えた日本語だと言えるのではないでしょうか。
そういえば、古くから大切にされてきた神社の境内には、存在感のある樹木が自然のままの姿で残されていることが少なくありません。
そういった樹木は樹齢も千年前後のものが珍しくなく、長い年月の中で多くの人々に愛され、神霊が宿る「御神木(ごしんぼく)」として大切にされてきました。
てっぺんまで見上げようとすると首が痛くなるほど高く、太い幹がどっしりと構えたその姿をそばで見ていると、不思議な安心感を覚えるのは私だけではないはず。
私たち人間ひとりの寿命の何倍も生き続け、季節を何度も繰り返しながら、この同じ場所からさまざまな光景を見てきたのでしょう。
そして、初夏になれば必ず新しく若々しい葉を生い茂らせるその姿には、動物のような「老い」を感じさせない生命力があるのです。
身近な場所にある木々に目を向けても、そのひとつひとつが自分の生きるその場所で懸命に枝葉を広げて、空を目指して生長し続けています。
どんな木であっても、そのひたむきさと健気な姿は、胸を打つものがありませんか。
私たちが挫けそうなときや哀しみに暮れているとき、樹木のそばで過ごしたり、そっと手を触れたりしてみると、心に力を分けてもらえるような気がします。
どんなことがあっても、大丈夫。
命ある限り、授かった人生をひたむきに、懸命に生きてみよう――と。
樹木の姿から、勇気をもらえるに違いありません。
新樹は、この季節だからこそ拝むことができる、目に見える形で生命力の強さが生き生きと感じられる木々の姿です。
この季節はぜひ、樹木をよく眺めながら、「新樹」から心のエネルギーをいただいてみてはいかがでしょうか?
今日も、明日も、のびやかにしなやかに。

紺野うみ
巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。
