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編集部のつれづれ便り|冬

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一週間に一度、お便りをお届けいたします

暦生活編集部がつれづれと綴るお便りを、一週間に一度お届けいたします。
まったりひと休みする気持ちで、のんびり読んでいただけますと嬉しいです。

12月4日(金) 枯景色の良さ

芽吹きはじめた蕾、華やかに咲く桜、水々しい新緑、雨粒を滴らせる紫陽花、錦にたとえられる紅葉…。
季節はそれぞれに美しい場面があるものですが、冬は枯景色が味わい深いように思います。

冬の枯景色は、秋の紅葉や落ち葉とは異なって、もう少し光が鈍くなるような。
秋の自然は、黄色・紅色・金色と夕映えが美しいものですが、それと比べると、冬は落ち着いた深みのある色が多くを占める気がします。
紅葉と違って日が当たっても、きらきらと輝きはしないものの、やわらかな温かみを帯びて、こちらを見返しているような気がするのです。

蓮池などで、乾燥しきって焦茶色になった蕊が佇んでいる様子など、どの角度からでも見応えがあります。

そんな枯野に雪でも降れば、冷たい光が煌いて、そのまま枠に閉じ込めて飾りたくなります。
皆さまは、どんな冬景色がお好みでしょうか。
ぜひ教えていただければと思います。

11月27日(木) 寒くなると読みたくなる本

秋はしみじみとした小説や、紅葉を歌いあげた和歌が気分でしたが、寒くなると手が伸びる本も顔ぶれが様変わりします。

なぜか冬にばかり読んでしまうのは、川端康成。
「奇術師」と呼ばれるほどに、多様な作品が残されていますが、どの作品を読んでもどことなくあたたかみが感じられます。
やわらかな練絹に包まれるかのような、あたたかなミルクのような、そんなやさしさのある文章です。

ひとつひとつの言葉が美しく、織りなす舞台もまた美しい。
とはいえ、決して表層の美しさにとどまることはなく、その奥には幽玄な世界が広がっていて、読み進めるうちに、いつの間にがずぶずぶと引き摺り込まれてしまうのです。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」
もうすぐ訪れる白い季節を前に、『雪国』を読んで冬支度をしてみませんか。
文豪が綴る叙情の世界に、溺れることができるはずです。

11月20日(木) ホットドリンク

冬になると、途端に愛おしくなるホットドリンクです。
体に良くないと分かっていながら、夏場は浴びるように冷たい飲み物を飲んでいましたが、「今日からは違う、もうホットドリンクの季節だ」と、悟る日が急に来るのです。
今年は一昨日、来ました。

ココア、紅茶、コーヒー、ハーブティ、ホットショコラ、ほうじ茶、甘酒…。
紅茶とほうじ茶に関しては、別に夏秋も飲んでいたけれど、これほど美味しかったかしら?と目を瞠ってしまいます。
ずっしりしたチョコレートの焼き菓子や、スパイスたっぷりの焼き菓子にも、俄然食指が動きます。

空腹は最高のスパイスとは言いますけれど、冷気はホットドリンクを美味しくしてくれるのですね。
欲を言えば、12月の方がより美味しく感じそうです。
11月はなんだか、まだ本格的な冬というには早い気がして、冷気がちょっぴり足りないような…。

それが12月の雪の降る日などは、年末らしいしみじみとした心持ちも加わって、一層美味しくいただけそうです。
体も温まりますし、心も温めてくれるような気がします。
そう思えば、幾分かの寂寞も、ホットドリンクの良いスパイスになるかもしれません。

という訳で、うんと寒い日かつ、少々感傷的な気分の時にいただくホットドリンクが格別美味しそうだという結論に至りましたが、いかがでしょうか。

書いている側からホットココアが飲みたくなってきました。
皆さまも、今年の冬は素敵なホットドリンクライフをお楽しみくださいませ。

11月13日(木) 真反対が気になる季節

空気がひんやりとしていて、乾燥を肌で感じる季節になりましたね。
こうなると思わずにはいられないのが、夏の暑さと湿気。
夏はあれほど冬が待ち遠しかったのに、いざ冬めいてくると、不満がぽつぽつ出てきます。

夏の暑さはどうしようもないけれど、冬は着込めば暖かいのだから早く冬が来てほしい、などと考えていたことが信じられません。
着込めば肩が凝りますし、着込んだからといって寒さが立ち消えすっかり暖まるかといえば、そうではありません。
着込んでも地肌がさらされているところ、たとえば耳とか頬とかから、寒さが骨まで沁み入るようです。
たっぷり保湿したはずなのに、いつの間にかぴりぴり乾燥を訴えてくる肌も、冬に不快なことの一つだったなぁと思い出してきました。

そう思うと、これから夏に入るぞ、という梅雨から梅雨明けの時期は、紫陽花も綺麗ですし、空気はしっとりしていて意外と過ごしやすかったかもしれないな?という気がしてきます。
雨の日に漂う梔子の香りも大好きです。
実際には、蒸し暑さに辟易とし始めていたのでしょうけれど…。

なんにせよ、季節は真反対が気になるものなのかもしれませんね。
真冬の寒さは夏の海への憧れを募らせますし、真夏の暑さは冬の朝の清冽な空気を恋しがらせます。
季節の醍醐味は、案外真反対の季節にじわじわ実感するものなのかもしれませんね。

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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