お正月に食卓を彩るお節料理。
さまざまな願いが込められたお節を、今年は自分で作ってみませんか。
お節料理の中から、今回は作りやすい七つの料理をご紹介いたします。
黒豆、田作り、たたきごぼう、紅白なます、菊花かぶ、栗きんとん、数の子。
お節料理にいつか挑戦してみたい、今年は作ってみようかなと思われている方々に、はじめの一歩を踏み出していただけますように。
【黒豆】マメに働けますように。邪気を払う黒。無病息災。
材料
黒豆 200g
〜調味液〜
水 800ml(計量カップ4杯分)
砂糖 200g
醤油 大さじ1
塩 小さじ1
重曹 小さじ½
調理用の鉄材またはサビ釘
作り方
①黒豆を優しく水洗いした後、ザルにあげて水気を切ります。
②鍋に調味液を入れて煮立ったら、火を止めて黒豆と鉄材を入れて8時間〜12時間つけます。
③中火にかけて煮立ったら弱火にします。アクが出てきたら取ります。
④紙のクッキングシートを被せて、弱火で3〜4時間煮ます。
※煮汁から黒豆が浸っている状態を保ちながら煮ます。
⑤30分ほどを目安に煮汁の減り具合を確認して、黒豆が出ないようにお湯を出してください。
⑥味見をして黒豆の柔らかさ具合をみて、好みの柔らかさになっていたら火を止めます。
⑦鉄材を取り出して、そのまま冷まして黒豆に味を含ませます。
保存
冷蔵庫で約1週間。
冷凍庫で約1ヶ月。
黒豆に煮汁がしっかり浸かる状態にしてください。
冷蔵保存の場合には、2、3日に一度ひと煮たちさせるとより保存性が高まります。
ポイント
新豆を使うのがおすすめです。袋に新豆シールが貼られています。
ヒネ(去年収穫された豆)は新豆より乾燥しているため、水につけ、煮る時間がよりかかります。
新豆の方が早く煮ることができるので、使いやすいと思います。
【重曹】
黒豆をやわらかくします。手に入らない場合は、調味液に炭酸水を200ml(カップ1)加えてください。
【塩】
黒豆の皮が剥がれないように守り、黒豆の風味を逃さないためです。
【調理用の鉄材またはサビ釘】
漆黒の色に仕上がります。鉄鍋を使っても良いです。調理用鉄材では野菜型や玉のものがあります。
【田作り】子孫繁栄。五穀豊穣。
材料
ごまめ 40g
〜調味料〜
出汁 大さじ3
砂糖 大さじ3
醤油 大さじ3
みりん 大さじ2
酒 大さじ2
作り方
①ごまめを耐熱皿に重ならないように並べます。
②電子レンジ500wで1分半加熱します。
(目安はごまめがポキッと折れるかたさです。)
③鍋に調味料を入れて中火で煮立てます。ヘラでかき混ぜながら、調味料が半量になるくらい煮詰めます。
④ごまめを入れてさっと混ぜ合わせたら火を止めます。
⑤直ぐにクッキングシートの上にごまめを重ならないように並べて冷まします。
保存
冷蔵庫で約2週間。
冷凍庫で約1ヶ月。
ポイント
ごまめは大きさが揃っているものを選んでください。電子レンジで加熱するときに均一に調理ができます。
電子レンジ以外ではフライパンで乾煎りして水分を飛ばします。
お好みで七味唐辛子をふりかけても良いです。
【たたきごぼう】開運。根を張る。健康。
材料
ごぼう 120g
白ごま 20g
〜合わせ酢〜
出汁 大さじ5
醤油 小さじ1
砂糖 小さじ1
酢 小さじ1
作り方
①ごぼうはタワシで水洗いして土を落とします。
②4cm幅に切ります。
③太い部分は4等分、細い部分は2等分に切ります。
④鍋に水を入れて沸騰させた後、塩と酢を少々加えた後、ごぼうを5分茹でてザルにあげます。
⑤ボールに、合わせ酢の調味料を入れてよく混ぜ合わせた後、擦った白ごまとごぼうを入れて絡めます。
⑥密閉容器に入れて、半日以上冷蔵庫に入れごぼうに味を含ませます。
保存
冷蔵庫で約3日間。
冷凍庫で約2週間。
ポイント
この時期は若採りごぼうや洗いごぼうが出回っています。やわらかくて食感が良く、調理時間は短いので、おすすめです。細めのごぼうを選んでください。
たたきごぼうは、ごぼうをたたいて繊維を潰してやわらかくしていたことにちなみ、名前が付けられました。
今のごぼうは昔よりやわらかくなったことにより、たたかずに調理する傾向になってきています。
【紅白なます】水引なますとも。平和。平安。大根は神聖、清らかさ。人参は魔除け。慶び。
材料
大根 150g
金時人参 20g
塩 小さじ1
〜甘酢〜
酢 大さじ5
砂糖 大さじ3
塩 小さじ¼
刻んだゆずの皮 少々
作り方
①大根と金時人参は真ん中の部分⅓ほどに切り、20g使います。皮を剥いた後、4cm幅に切ります。薄切りにした後、ずらしながら重ねて千切りにします。
ボウルに入れて塩を小さじ1入れて、軽く混ぜ合わせて10分置きます。
②大根と金時人参をしっかり絞って水気を切ります。
③ボウルに甘酢の材料を入れてよく混ぜ合わせた後、刻んだゆずの皮、大根と金時人参を入れて和えます。
④密閉容器に入れて冷蔵庫に一晩置きます。
保存
冷蔵庫で約1週間。
冷凍庫で約1ヶ月。
ポイント
大根と人参は形を揃えると綺麗です。
形が不揃いな端の部分はよけて、お味噌汁などに使ってください。
柚子をくり抜いてうつわにして、紅白なますを盛り付けると華やかな演出になります。
【菊花かぶ】菊は長寿、無病息災。
材料
小かぶ 4個
塩 小さじ½
〜甘酢〜
酢 大さじ5
砂糖 大さじ3
柚子の皮 少々
作り方
①小かぶは皮を剥いた後、縦横に細めに切り込みを入れます。両側に割り箸を置いて、底まで包丁が入らないようにすると切りやすいです。
②6等分に切り分けます。
③ボウルに小かぶと塩小さじ½を入れて10分置いた後、軽く水気を絞ります。
④ボウルに酢と砂糖を入れてよく混ぜ合わせた後、小かぶを入れて和えます。
⑤密閉容器に入れて冷蔵庫で3時間置きます。
⑥箸で小かぶを菊花のように開かせて、真ん中に刻んだ柚子をのせます。
保存
冷蔵庫で約1週間。
冷凍庫で約1ヶ月。
ポイント
お節料理に野菜の飾り切りを使うと華やかになります。お節料理作りの楽しみが増えていくと思います。
【栗きんとん】金運上昇。勝運を招く。
材料
さつまいも 約500g(2〜3本)
市販の栗の甘露煮 約250g
くちなしの実 2個
砂糖 35g
塩 ひとつまみの半分ほど
作り方
①水洗いしたさつまいもを幅3cmに切ります。
②皮を厚めに剥きます。
③ボウルにさつまいもを入れてたっぷりの水にさらします(20分)新しい水に変えてさらします(20分)
④くちなしの実を包丁を横にして上から手で押さえながら潰して、お茶パックに入れます。
⑤鍋にさつまいも、お茶パックに入れたくちなしの実を入れて、水をさつまいもがかぶるくらい入れて中火にかけます。
⑥沸騰後、火を弱めて約20分茹でます。さつまいもに竹串をさして、すっと入るくらい火が通ったら、さつまいものみザルにあげて直ぐに裏漉しします。
⑦鍋に裏ごししたさつまいも、栗の甘露煮のシロップを入れてよく混ぜ合わせます。中火弱で火にかけて、優しくヘラで混ぜます。
⑧さつまいもがふつふつしてきたら弱火にし、ヘラで混ぜながら砂糖を少しずつ加えて優しく練ります。栗の甘露煮を加えて、少し鍋底が見えるくらいまで練り上げて火を止めます。
⑨塩をひとつまみの半分ほど加えて軽く混ぜ合わせると、甘みが引き立ちます。
保存
冷蔵庫で約3〜5日。
冷凍庫で約1ヶ月。
ポイント
裏漉し器がない時は、ザルやフードプロセッサーで潰しても良いです。
裏ごし器は滑らかな食感に仕上がります。お好みの器具を使ってください。
皮を剥く時は、内側に見える筋の線を目安にして厚く剥きます。
剥いた皮は、素揚げやお味噌汁の具にしてください。
くちなしの実はスーパーなどのお店で手に入ります。よく栗の甘露煮と一緒に並んでいます。
さつまいもを水にさらすのは、しっかりとアク抜きするため。皮を厚く剥くのは、繊維質や黒く変色しやすい部分を取り除くためです。
くちなしの実を使って金色に染めることから「金団(きんとん)」とも呼ばれます。
栗きんとんはやや手間がかかる料理ですが、上品な見た目と食感の味わいを楽しんでください。
【数の子】子孫繁栄。二親(ニシン)の当て字から子宝を願う。
材料
数の子 お好みの量
〜塩水〜
水 1ℓ
塩 小さじ1
〜調味液〜
出汁 200ml(カップ1)
酒 大さじ2
醤油 大さじ1と½
みりん 大さじ½
作り方
〜数の子の塩抜き〜
①ボールに数の子に対して塩水をたっぷり入れて3時間浸します。
②数の子を取り出して、新しく作った同量の塩水に浸します。
③数の子をさらに3時間浸します。途中で味見をして、程よく塩気があるくらいで良いです。塩辛い場合は漬ける時間を半日ほど長くします。
〜味付け〜
調味料をひと煮立ちしたあと冷まします。密閉容器に数の子を並べて、調味液に漬けて冷蔵庫で一晩置きます。
保存
冷蔵庫で約3日。
冷凍庫で約2週間。
漬け汁に数の子がしっかりと浸かった状態で保存してください。
ポイント
数の子には薄皮がついているものと皮取り済みの2種類があります。
皮取り済みが扱いやすいのでおすすめです。薄皮付きは塩抜き後、親指で優しくこするようにして取ります。
〜食べ方のアレンジ〜
だし醤油以外ではポン酢に漬けても良いです。
出汁は水700ml、出汁昆布6g、鰹節8gでとっています。
市販のだし醤油でも良いです。
盛り付けの時に鰹節をのせてください。
数の子はあまり日持ちがしないので、余った時はポテトサラダに入れたり、クリームチーズに乗せたりしてアレンジすると良いです。
盛り付けのポイント
松や南天の実などを少し飾るとお正月の演出ができます。
黒豆を作るのは時間がかかりそうで難しそうに感じるかもしれません。私もはじめて作った時は、煮ている間も、煮汁も豆も黒いので様子がわかりませんし、上手く出来るか不安でした。
数の子の塩抜きの塩梅もおそるおそる味見しながら確かめていました。
そんな緊張感も楽しみながら、はじめてのお節料理を作っていただければと思います。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁